あらすじ。。。

ついにロミオ(折笠愛)が村を離れるときがやってきた。
半年、辛抱すればまた戻ってこれる──。
そう信じていたロミオに、アニタ(丹下桜)が恐ろしい事実を告げる。
今まで煙突掃除夫として買われていって、ぶじに帰ってきた者は一人もいないというのだ。
愕然とするロミオ。
それでも家族にだけは心配をかけたくなくて、必死に涙をこらえ、口止めをお願いするのだった。

。。。体ごと、悲しみをぶつけてくるアニタに、精いっぱいの笑顔でこたえるロミオ。

そうやって強がることができたのも、つらい仕事も春になったら終わる、と思っていたからこそ。

だが煙突掃除夫というのは、とても死亡率の高い仕事だった。それを知らされたときのロミオの驚きと悲しみは、いかばかりだったろう。

(以下、脚本集からの引用です)
ジェシカ「もう大丈夫。包帯がとれるまで時間がかかるけど、きっと、目も見えるようになるって」
ロミオの歓喜がふくれあがる。
ジェシカの心はいっぱいになり、ロミオを強く抱きしめる。
ジェシカ「ロミオ……!」
こみあげるせつなさといとおしさ、辛さを押えられず、ふるえる声で──
ジェシカ「この子は…なんてことを……」
ロミオの胸もいっぱいになる。
ロミオ「心配しないで。半年だけなんだ。半年たったら、戻ってこられるんだ。そう約束したんだよ!」
ジェシカの頬に涙が流れる。
ジェシカ「どうして母さんに何も言ってくれなかったの……。そんな大事なこと、ひとりで悩んで、ひとりで決めてしまって……!」
泣きたくなるロミオ。抱きすくめられて、声もかすれる──。
ロミオ「……ごめんなさい……母さん……」
ジェシカ「ロミオ……」
ジェシカの笑顔が優しくふるえる。
ジェシカ「母さんこそ、ごめんね……何もできなくて……」
一生懸命、首を振るロミオ。
抱き合う母と子。

(引用、終わり)

ロミオは、酒場の主人スカラ(西村知道)にだまされたと言えるわけだが、それでも恨み言ひとつ漏らさない。

みずから選んだ道だからか、どんな理由があろうと約束は守るべき、という信念がそうさせるのか。

正直で愛情あふれる両親にはぐくまれたロミオの、まっすぐな人間性がまぶしい。

字の読めない子供にバッテンを書かせ、それでもって契約は成立したとうそぶく大人たちとは雲泥の差だ。

世の中には悪い大人ばかりでなく、むしろ良い大人のほうが断然多いのだということを、ロミオが身をもって知るような、そんな出来事がはやく起こってくれるといいのだけれど……。
語り「ミラノに向けて、馬車は走りだしました。その行く手に起こる、夢や、友情や、嵐のような事件を、まだロミオは知るよしもなかったのです」──つづく

ロミオの苦難は、まだまだ続きそうだ。


第03話 さよなら・ぼくの村 (1995/01/29)
絵コンテ・演出: 楠葉宏三
作画監督: 井上鋭 佐藤好春
脚本: 島田満

ロミオ: 折笠愛
ロベルト: 大林隆介
ジェシカ: 藤井佳代子
ルイニ: 小村哲生
マリア: 沼波輝枝
ルイニ: 小村哲生
カルロ: 嶋方淳子
ピエトロ: 南杏子
アニタ: 丹下桜
スカラ: 西村知道

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