あらすじ。。。

スイスの小さな村で、貧しいながらも幸せに暮らしているロミオ(折笠愛)たち。
そこに“死神”と呼ばれる人買いルイニ(小村哲生)が現われた。
ロミオに目をつけるルイニだったが、父親のロベルト(大林隆介)は断固拒否。
だがロベルトの畑は、長引く日照りのためにダメになりかかっている。
とどめを刺すように、ルイニは乾ききった畑に、容赦なく火を放った──。

愛し合っている家族という光景だ。
酒場の窓からそれを見やるルイニ。
刺すような目でじっと、そのむつまじい光景を見やった。ルイニの顔に屈辱にも似た侮蔑の表情。
そして最後にせせら笑いが浮かんだ……。

「屈辱」「侮蔑」「せせら笑い」と、ルイニの複雑な心情が細密に描かれる。

5ヵ月に及ぶ日照りで(脚本集では10ヵ月)、カラカラに乾いているロベルト(ロミオの父)のトウモロコシ畑に放火する“死に神”ルイニ。

「放火」と断定しても、もちろん間違いではないのだが、何となく「タバコの火を棄てたら、勝手に燃え広がっちまった」という体を醸し出しているところが、いかにも憎たらしい。ルイニ本人には「放火をした」という意識さえないのかも知れない。

ルイニには、どうしても子供を買いたい、早く買いたい、という焦りが感じられない。
むしろ、ロミオ一家がどこまで持ちこたえられるか、その愛情の深さ(ルイニ側から見たら『脆さ』)を計っているような不気味さがある。
だから放火するにしても何となく実験めいた、イヤな感じの冷静さがつきまとっている。

ルイニが、ロミオ一家をターゲットに選んだ理由は、村でいちばん幸せそうな、結束の固い家族に見えたから、ではないだろうか。
そのような家庭を壊すことにより、自身の過去の心の傷が慰められるとか、あるいは自分の家族に復讐した気になれるとか、なにかルイニなりの理屈があるのかも知れない。

そんなルイニの暗い影を振り払うように、青空の下、恒例の祭り“勇者の木登り”が始まる。
最年少で参加し、大健闘するロミオ。
見物の村人たちも大いに盛り上がる。

みんなの願いが通じたのか、ロミオが一歩、よじのぼった。
そしてもう一歩。
一歩ずつ、ロミオが昇る。
ソニー「やるじゃないか、ちび!」
アニタ「あたしのロミオだもんっ!」

ロミオに惚れている、ちょっと早熟な少女アニタ(丹下桜)の「あたしのロミオだもんっ!」
というセリフは、残念ながら放送ではカット。
これはぜひ聞きたかったなあ。

第01話「アルプス! 小さな村の大事件」(1995/01/15)
絵コンテ・演出: 楠葉宏三
作画監督: 佐藤好春
脚本: 島田満

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