本日は終戦記念日。
日本が太平洋戦争において敗戦した日ということで、本作を観賞した。

「軍神」という冠が、山本五十六にふさわしいかどうかは疑問だが、「名将」であったことは間違いない。
山本が今もなお尊敬されるのは、以下のような理由によるだろう。

1. 最後まで戦争回避に向けて奔走したこと

2. 開戦が避けられなくなり、国から出陣を請われると、自身のイデオロギーを封印し、勝利のために身を粉にしたこと

3. 最前線で指揮を執ったこと

山本はつねに大局観を失わず、諸外国(おもにアメリカ)との差を冷静に計り続けた。

もろもろのことが明らかとなった今、ああすればよかった、これがいけなかった、誰が悪かった、よかったと断ずるのは簡単だ。
だが、情報不足のあの時代においてあれだけものが見えていたのには驚くよりない。

また、山本が稀代の傑物であることを見抜き、ピンポイントで命を獲りに来るアメリカという国にも底知れぬ恐ろしさを感じる。

“イソロクもの”は今までに何本か作られている。
これからも作られるだろう。

個人的には本作が一番のオススメだ。
制作年が1956年ということは、スタッフ全員が本物の戦争を経験していることになる。
そのほとんどの方々は、先の戦争で肉親や友人を失ったことだろう。
哀しさ、恨み、無念の思いを心の底に抱いて、本作の制作に臨んだものと思われる。

これが時代が下ると、だんだん様相が変わってくる。
太平洋戦争の実態が徐々に明らかになり、また当時は若年兵で上官にいじめられていた層が制作現場のメインとなると、「軍がバカだった」「すべて大本営が悪い」という論調が濃くなり、“戦争”映画というより、“反軍隊”映画とでも呼ぶべきものになっていく。

さらに戦争を知る人が皆無に等しい今となっては、反戦、厭戦気分が横溢するものにしかお目にかかれないし、今後はそれに拍車がかかるだけだろう。

まあそれこそが70年以上も平和であり続けてこられた恩恵なのだと、喜ぶべきかも知れない。

本作では記録フィルムも使用されている。
本物の戦争で、本物の軍艦が爆破され、もうもうと黒煙を吐き出している姿は、生々しさを通り越して、まがまがしいばかりだ。
あの中で、本物の人間が死んでいっている。

敵軍を攻撃する時、カメラは俯瞰に位置し、自軍が攻撃される時は接写となる。
他人の痛みはなかなか分からないものだ。

太平洋戦争で亡くなられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。


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