4月1日は女優・桑野通子の命日。
ということで『恋も忘れて』を観賞した。

桑野 通子(くわの みちこ、1915年1月4日 - 1946年4月1日)は、昭和初期の女優。本名は桑野 通(くわの みち)。スラリとした抜群のプロポーションとモダンな美しさで人気を博し、高峰三枝子や三宅邦子・高杉早苗らと共に戦前の若手銀幕スターとして一翼を担った。愛称はミッチー。娘は元女優の桑野みゆき。※ Wikipediaより転載

『恋も忘れて』という映画、総じて評判が高いようだが、私にはちょっと厳しかった。
いかんせん暗い。
「暗けりゃ全部ダメかよ」とおしかりを受けそうだが、うーん、母親の住む世界も暗けりゃ、子どもたちの世界もあそこまで暗いとさすがに気が滅入ってしまう。

桑野通子の役どころは、チャブ屋の女給・お雪。
チャブ屋というのは一階がダンスホール、二階が売春宿からなる店のこと。

お雪は息子の春雄(爆弾小僧)と二人暮らし。
春雄の成長だけを楽しみに、安い給料にもめげずに日々気を吐いて働いている。

春雄もお母ちゃんのことが大好き。
でも周りの偏見やいじめが原因で、登校拒否になってしまう。
お母ちゃんが水商売だから…などとは決していわない母親思いの春雄。
でもお母ちゃんは察してしまう。…このあたり、無声ですべてを伝えきる清水宏監督。
相変わらず冴えまくりの演出。

お母ちゃんは春雄を別の小学校へ転校させる。
が、またもやガキ大将(突貫小僧)がちょっかいを出して元の木阿弥。
学校に行けず、雨の中をとぼとぼさまよい歩く春雄…これが原因で高熱を出してしまう。

一方、お雪が勤めるチャブ屋では女給の一人が脱走を試みるも失敗、リンチを受ける。
それ以来、女給たちにそれぞれヤクザの監視がつくことになった。

お雪の担当になったのが恭助(佐野周二)。
徐々に惹かれあう二人。
お互いヤクザな稼業から足を洗いたいと思ってはいるけれど、一人では泥沼から這い上がれない。
でも、この人となら…。

恭助は春雄とも仲良くなる。
寝込んでいる春雄を元気づけようと、
「お母ちゃんを守れるよう、強い男になれよ」
と励ますのだが、これがあだになるとは知るよしもなかった。

春雄はガキ大将と一対一の決闘をし、それが元で命を落としてしまったのだ。

このあと恭助は、カムチャッカで漁師をやるので3年間日本を離れるという。
(しがらみを断つため? 大金を作るため?)

ひとりぼっちになったお雪はどう生きていくのか…。

(完)

感想。。。

あれ、一緒にならないの? と意表を突かれるオチでしたが…。
桑野通子ファンには堪らない内容となっています。
和装、洋装、どちらも似合うセンスの良さ、スタイルの華麗さ、シルエットの美しさは、今もって並ぶ者なしです。
また彼女の長所を存分に弾き出して魅せた清水宏監督にも感謝ですね。

br_banner_kokuban

koi mo wasurete (日本映画データベースより一部転載)

監督... 清水宏
脚本... 斎藤良輔

配役
お雪... 桑野通子
恭助... 佐野周二
春雄... 爆弾小僧
小太郎... 突貫小僧
マダム... 岡村文子
A子... 忍節子
ホテルの女... 雲井ツル子
〃... 水戸光子
〃... 小牧和子
〃... 森川まさみ
〃... 祇園初枝
〃... 織田千恵子
〃... 小柳みはる
〃... メリー・ディーン
客... 大山健二
医者... 石山隆嗣
洗濯屋... 池部萬
与太者... 若林広雄
〃... 伊東光一
中国人の子... 葉山正雄

恋も忘れて [VHS]
by カエレバ

清水宏監督作品(年代順)

映画『港の日本娘』(1933・日本) ネタバレ感想。

映画『大学の若旦那』(1933・日本) ネタバレ感想。

映画『金環蝕』(1934・日本) ネタバレ感想。

映画『東京の英雄』(1935・日本) ネタバレ感想。

映画『有りがたうさん』(1936・日本) ネタバレ感想。

映画『金色夜叉』(1937・日本) ネタバレ感想。

映画『恋も忘れて』(1937・日本) ネタバレ感想。

映画『花形選手』(1937・日本) ネタバレ感想。

映画『按摩と女』(1938・日本) ネタバレ感想。

映画『家庭日記』(1938・日本) ネタバレ感想。

映画『信子』(1940・日本) ネタバレ感想。

映画『みかへりの塔』(1941・日本) ネタバレ感想。

映画『歌女おぼえ書』(1941・日本) ネタバレ感想。

映画『簪(かんざし)』(1941・日本) ネタバレ感想。

映画『サヨンの鐘』(1943・日本)| ネタバレ感想。

映画『小原庄助さん』(1949・日本) ネタバレ感想。

映画『しいのみ学園』(1955・日本) ネタバレ感想。