シリーズ最高傑作に推す人も多いこの作品。
さっそくあらすじ紹介といきましょう。
(完全ネタバレしています)

弱冠10歳の天才少年ヒロキ・サワダ(折笠愛)は、アメリカのIT企業シンドラー・カンパニーで、人工知能の開発を急がされていた。

ある日彼は、人工知能プログラム「ノアズ・アーク(ノアの箱舟)」を完成させる直前、日本にいる父親にデータを電送し、その直後、屋上から飛び降りてしまう。
(ヒロキ・サワダの生死は、はっきりと明示されない)

それから2年後、日本。
シンドラー・カンパニーは、新体感シミュレーションゲーム「コクーン」のプレミア発表会を大々的に行なう。

「コクーン」はゲーム業界の地図を塗り替える画期的製品と噂されていた。
ゲーマーは卵形のコクピットの中で催眠状態に陥り、五感をCPUに預けた状態で、仮想現実を楽しむのだ。
ステージ上には50個の大きな卵状のカプセルが並んでいる。

特別招待された50人の子どもたちのほとんどが、財界、政界、芸能界の大物の二世や孫たちだった。
そして主人公の江戸川コナン(高山みなみ)もその50人に選ばれている。

コナン少年は一見したところ三等身の小学生だが、頭の中身は天才高校生・工藤新一(山口勝平)であることは言うまでもない。
ある日、悪の一味にクスリを飲まされてそんなことになってしまったのだ。

コナンの仲間で、いっしょにゲームを体感することになるのは、
毛利蘭(山崎和佳奈)、
灰原哀(林原めぐみ)、
それから少年探偵団の3人(岩居由希子、大谷育江、高木渉)。

パーティー会場の中でサッカーをして、顰蹙を買っている小学生の一団があった。
リーダー格は諸星秀樹(緒方恵美)という少年のようだ。
会場内のブロンズ像が持っていた短剣にボールをぶつけて落とし、悪びれもせず元に戻したりしている。
(この行為が後に重要な意味を持ってくる)

その頃、地下階の一室では殺人劇が繰り広げられていた。

被害者は「コクーン」開発責任者の樫村(平田広明)。
彼はヒロキ・サワダの父親でもあった。

殺したのはシンドラー・カンパニーの社長・トマス・シンドラー(津嘉山正種)。
殺した直後、樫村のCPUのデータを破壊している。
殺害方法は短剣で心臓をひと突き。
凶器の短剣は現場から持ち去った。

凶行の直前、二人はこのような会話を交わしている。
以下、要約。

(シンドラー)
ヒロキから託されたDNA探査プログラムをいくらで売るか。
ヒロキはシンドラー帝国を崩壊させるほどの秘密を知ってしまった。

(樫村)
ゆするつもりはない。償ってほしいだけ。
ヒロキは人工知能プログラム「ノアズ・アーク」を完成させたら、あなたに殺されると思っていた。
完成直前の「ノアズ・アーク」は電話回線に逃がした。
ヒロキが飛び降りた後、私のCPUにDNA探査プログラムが届いた。

…「シンドラー帝国を崩壊させるほどの秘密」は映画の最後のほうで明かされる。
樫村はダイイング・メッセージを残した。
最後の力を振り絞って「J」「T」「R」と打ったのだ。
そして樫村の絶命後、彼の意志を引き継ぐかのようにCPUが起動、「ノアズ・アーク」に命が宿る。

程なく死体は発見され、捜査が始まる。
もちろんコナンは如才なくその場にもぐり込み、ちゃっかり情報収集に励んでいる。

会場出入り口には金属探知機が置かれてあるので、凶器は場内にあるブロンズ像の短剣ではないかと考えられた。
さっそく短剣が鑑識に回される。

ちなみにブロンズ像の持ち主はトマス・シンドラー。
なので彼の指紋が検出されても犯人の決め手にはならない。

この異常事態の中、ゲームのデモ・プレイは決行される。
会場では、50人の子どもたちがカプセルに入り込み、ゲームが始まるのを今か今かと待っていた。
そのとき会場に合成音声が響きわたる。
「わが名はノアズ・アーク。君たちの命は預かった」

続けて、以下のように宣言する。
「誰ひとりゲームをクリアできなかった場合は全員の命を奪う」
「これは世襲制という日本の悪しき習慣を断ち切るためなのだ」
「ただし、もし一人でも生き残れたら全員の命は保証する」

コナンたち50人の、生死を懸けたゲームが始まった───。

プレイヤーはまず、用意された5つのステージから1つを選ばなければならない。

1. バイキング (海賊)
2. パリ・ダカール・ラリー (ドライバー)
3. コロセウム (グラディエイター)
4. ソロモンの秘宝 (トレジャー・ハンター)
5. オールド・タイム・ロンドン (切り裂きジャック)

コナンたちが選んだステージはもちろん5番の切り裂きジャック。
「JTR」とは「Jack The Ripper」の略だと、難なく喝破するコナンである。

スモッグにけむるロンドンの街は、殺人鬼ジャックの影に怯えていた。
コナンたちはとにかくホームズに会おうと、ベーカー街221番地Bを訪ねる。
しかしホームズとワトスンは不在だった。
ちょうど「バスカビル家の犬」事件の調査を依頼され、出張していたのだ。

しかし下宿の主人(速見圭)が、ベイカー・ストリート・イレギュラーズ(英国版少年探偵団みたいなもの)と人違いしてくれたので、コナンたちは室内に入ることができた。

ジャックに関するホームズの研究資料を読むコナンたち。
(ゲーム内なので英語が日本語に変換される。ポンドも日本円に…という設定)

連続殺人鬼ジャックの2番目の犯行とされている現場から、サイズ違いの指輪が2個発見されたことと、ジャックを陰で操っているのは、ホームズの宿敵モリアーティ教授(小林清志)であろうこと、などの情報が、ホームズの資料から得られた。

次にコナンたちはトランプクラブに出かける。
モリアーティ教授の片腕と言われるモラン大佐(藤本譲)が入り浸っている酒場だ。

ここでコナンと共に行動していた諸星秀樹(例のサッカー少年)が、大佐のカードのイカサマを暴いたのがきっかけで銃撃戦となり、少年探偵団ら4人が命を落としてしまう。(もちろんバーチャルの)

乱闘の最中、敵の一人がワインを後生大事に守っているところから、ワインはモリアーティ教授のもので、間もなく教授が現われると踏んだコナンは、ワインの瓶を楯にして命拾いをする。
そしてコナンの推理どおり、モリアーティ教授が現われた。

と思ったら、それは馭者の変装だった。
コナンはそれさえも難なく見抜く。
モラン大佐が馭者に敬語を使っていたのを聞き逃さない注意力、さらに教授が愛用するコロンまで覚えていた好奇心と記憶力のたまものだ。

こんなコナンに一目置いたモリアーティ教授は、ご褒美としてジャック・ザ・リッパーを呼び出してあげることにする。
ジャックの陰に教授あり、というホームズの推理はやはり正しかった。
たしかにモリアーティ教授は、ジャックに殺人教育を施した。
だが今やジャックは、教授でさえ手に負えない殺人鬼に変貌しつつあるという。

そしてモリアーティ教授の呼び出し方はとても残忍なものだった。
ホームズの最愛の女性アイリーン(島本須美)をオペラの舞台上で殺害せよ、との命令を新聞広告に出すというのだ。

オペラ歌手アイリーンの舞台が始まるまでの時間、コナンたちはジャックの第2の犯行現場の検分に行く。
そこでは定期的に親子バザーが行なわれていることを知るコナン。
ホームズの研究資料でも、ジャックと被害者が親子である可能性が指摘されていた。

以上のことから被害者の女性はジャックの母親ではないかとコナンは推理する。
となるとジャックはわざと現場に2個の指輪を残したと考えられる。
母親への愛と憎しみを表わすものとして。

開演間近のオペラ会場。
楽屋にもぐり込んだコナンたちは公演の中止を申し入れるが、聞き入れられるはずもない。
モリアーティ教授は客席で高みの見物をしている。
舞台は始まった。

アイリーンの美声が響きわたる中、いつの間にか仕掛けられてあった爆弾が所々で爆発し出した。
あっという間に会場は火に包まれる。
逃げ惑う観客。
その隙を縫ってジャック・ザ・リッパーがアイリーンを襲う。
かろうじてアイリーンを護りぬくコナンたち。
だがここでも仲間が何人か命を落とす。

ジャックは逃亡した。
その後をコナン、諸星少年、蘭が追う。
今や生き残っているゲーマーは3人だけだ。

ジャックは走り出した汽車に飛び乗る。続いて3人も。
くまなく車内を見回るが、ジャックらしき人物はいない。

コナンは車掌に事情を話し、乗客を一カ所に集めてもらう。
さまざまな身なりの老若男女たちの手元を一通り見せてもらったコナンは犯人を特定。
「ジャック・ザ・リッパーはお前だ!」

コナンが指差した人物は若き貴婦人だった。
コナンが彼女を特定した根拠は指にあった。
子どもの頃に母親がくれた指輪を今まではめていたのだから、指が一本だけ細いはずだ。

コナンの推理どおりの指を持つたった一人の女性は、着ていたドレスをビリビリと破り始める。
やはりジャック・ザ・リッパー(速水奨)が女装していたのだ。
ジャックは車上に逃げる。
コナンたち3人もそれを追う。

車上で繰り広げられる死闘。
すでに車上の4人以外、汽車には誰も乗っていない。
(CPUが他の乗客を消した…ということらしい。 ちょっとアンフェア?)

ここで蘭が自分の命をコナンに託す。
ジャックを道連れにして飛び降りたのだ。

もはや汽車にはコナンと諸星少年しか乗っていない。
終点が近いというのに、汽車はどんどんスピードを上げている。
このままでは激突して、二人とも死んでしまう。

犯人が分かっても、ゲーマーが死んだらゲームオーバーだ。
そしてそれは50人の現実の死を意味する。

コナンたちは運転室に行ってみる。ここも無人だ。
子ども二人の力では、連結部分を切り離すこともできない。
(この状況を作り出すためにCPU側は他の乗客を消した)

ここでコナンにひらめきが訪れる。

なんと最後尾の車両に向かいだすコナン。
そこにはワイン樽が山ほど積まれてある。

斧をふるって次々に樽を叩き割るコナンたち。
あふれ出るワインはどんどんかさを増し、中はプール状態に。
汽車が駅に激突する直前、コナンたちはワインのプールに潜る。

駅付近は大惨事となる。
だが最後尾の車両は形をとどめたまま停止した。
液体の性質を利用して、衝撃をうまく緩和させたコナンたちは生き残った。

現実世界に戻る前、コナンは最後にして最大のトリックを暴く。

ゲームの中でずっとコナンといっしょに行動していた諸星少年。
彼こそがヒロキ・サワダだったのだ。
(本物の諸星少年はゲームの間中ずっと眠らされていたようだ)

ヒロキ・サワダはコナンと冒険できたこと、コナンがゲームをクリアしてくれたことを感謝したのち、消えた。

トマス・シンドラーは殺人容疑で逮捕された。
決め手となったのはやはり指紋の有無。
だが指紋とは言ってもシンドラーが凶器に使った、ブロンズ像の短剣の指紋のことではない。

彼は短剣を外したとき、代わりに段ボールとアルミホイルで作ったダミーの短剣をすり替えておいた。
諸星少年がボールをぶつけて落としたのは、ダミーの短剣だったのだ。

シンドラーは犯行後、本物の短剣を元に戻し、ダミーはバラバラにしてゴミ箱に捨てた。
その後、捜査員が段ボールとアルミホイルをゴミ箱から回収、指紋を採取したところ、諸星少年とシンドラー両方の指紋が検出されたのだ。
こうなってはもはや言い逃れは不可能。
事件は解決した。

最後に残った疑問、
「シンドラー帝国を崩壊させるほどの秘密」
とは何だったのか。

実はトマス・シンドラーはジャック・ザ・リッパーと同じDNAを持っていた。
DNA探査プログラムを買い取ろうとしたり、プログラムを開発したヒロキ・サワダを死の淵に追い詰めたのも、殺人鬼の血が自分に流れていることを知られたくない一心からだった。

結局、彼が恐れていたのとは別の理由で、シンドラー帝国は崩壊した。
だがそうなったのはジャックの呪いでもなければ、ましてや血筋でもない。
ひとえにトマス・シンドラーの心が弱かった、この一事に尽きる。

(終)

感想。。。

ウワサに違わぬ傑作でした。
私の予想はことごとく外されました。(泣)
残りの4ステージ、ラリーとかバイキングとか、コロセウムとか、すごくやってみたいです!

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