近年観た3本のドラえもん映画すべてに、しずかちゃんの入浴シーンがあった。
いわゆる「お約束」になっているのだろう。
だが今後もルーティーンのように続いていくのだとしたら憂慮を覚えないでもない。

問題は2つあるように思う。

1つめは、幼いとは言え、(幼いからこそ)女性の肌の露出を良しとしない人々が、世界には少なからずいるということ。
あのワンシーンのために、とある国の子供たちがドラえもんたちと出会えない…というような事があるとしたら、とても悲しいことだ。

この問題には、
「入浴シーンだけを削って輸出すればいい」
という対処法もないではない。

しかしそれができるのだとしたら、
「そもそも入浴シーンなどなくても映画は成立していた」
ことを図らずも証明してしまうことになる。

少なくとも毎回(ではないかも知れないが)入浴シーンを挿入する必要はない。
「キレイ好きな女の子」というキャラを演出したいのなら、セリフで事足りるだろう。

2つめの問題は、児童ポとして見られる、さらには糾弾される恐れがあること。

おそらく制作の方々には、
「原作がそうなっているのだから」
という意識があるのではないか。

たしかに国民的作家であられた藤子・F・不二雄先生の偉業はすばらしいもので、その威光はいささかも衰えていない。

が、あれから時代は流れた。

今となっては「エスパー魔美」を少年誌に掲載することさえ難しいだろう。
(摩美は父親の絵のモデルをしてバイト代を稼いでいる)

世の中がそういう方向に動いているのだ。
児童ポを盾に取られると、先生ほどのビッグネームといえども、もはや免罪符たり得なくなってきている。

もちろん映画スタッフの方々が真摯な思いを持ってしずかちゃんを描いておられるということは重々承知している。
そもそも入浴自体、日常に於けるきわめて自然な行為なのだし。

しかしそうは見てくれない人間がいるのもまた事実。
小学生に良からぬ事をする、そんな類いの成年向け雑誌が街のコンビニで堂々と陳列されるほどには需要がある…悲しいけれどそれが日本の現状だ。(とかエラそうなことを言いながら本の中身を知っている私も私だが)

F先生からお預かりした大事な娘しずかちゃんを、そんな輩の目から守るためにも、服は着たままで過ごさせてほしいと願うものである。

そして、今以上にドラえもんが世界に広まりますように───。

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