のび太がペコという小さな野良犬を拾ったことがきっかけで、とてつもない大魔境に放り込まれてしまう、というお話。

原作はもちろん藤子・F・不二雄先生。
大長編ドラえもん (Vol.3) のび太の大魔境 (てんとう虫コミックス)

どしゃ降りの夜の街をずぶ濡れになりながら、とぼとぼ歩く子犬のペコ…という胸がキュンとしてしまう場面で映画は幕を開ける。

車が容赦なく泥水を浴びせていく。
ペコはキャン! と鳴きながら飛び退く…かと思いきや意外にも全くの無反応。
おお、予想を裏切るリアクション。これは期待できるかも? と身を乗り出す。

昼。お腹がペコペコのペコは、空き地で元気なくうずくまっている。
そこにひょっこり通りかかったのび太。
心優しき彼は放っておけるはずもなく、なけなしの小遣いをはたいてエサを買ってあげてしまう。
家で飼えないことは分かっているのに…。
もし連れて帰ろうものならセーラームーンが月に替わっておしおき…もとい、ママにお目玉を食らってしまう。

ところがペコは並の犬ではなかった。
ピンチに陥っていたママを救ってあげたことにより、晴れて野比家の一員として迎え入れられる。

このペコがめちゃめちゃ可愛い!
かしこくて、愛くるしくて、聡明で、かつ「ただ者ではない」感を漂わせている。
理知的な光を秘めたエメラルド・ブルーの瞳…。
もうストーリーそっちのけで見入ってしまう。

そして動きが本当にリアル。
スタッフの方々は実際の犬の動きを相当研究・観察されたのではないだろうか。

さて、夏休みに入ったのび太は、ドラえもんの何とかいう道具(すみません、忘れました)を使って前人未踏の魔境を見つける。
まあ実際は「見つける」というより、ペコにうまく「誘導された」のだけれど。

かくしてジャイアン、スネ夫、しずかちゃん、といういつもの仲間といっしょの冒険が始まる。
ジャングルの秘境で猛獣に襲われたり、何度も生命の危険にさらされながらも、力を合わせて切り抜けていく一行。
…まだ中盤のここがいちばん盛り上がったかも。

そろそろ佳境に入ろうかというところで、ペコが出自をカミングアウト。
やはり彼はやんごとなきお方だった。
ここから先は人間の言葉をしゃべり、四つ足だったのが二足歩行となる。

すると何ということでしょう、今までドバドバと脳内分泌されていたオキシトシンがはたと生成されなくなってしまったではありませんか。
あの可愛かったペコはどこへ? という感じ。

後半も面白くないことはないのだが、あまりにも前半がキラキラ輝いていたので、失速感は否めず。
これは原作がそうなのだからしょうがない面もある。

映画のほうは、何かみんなで頑張って、ドラえもんも道具とか出したりして、ハッピーエンドって感じ?
(…すいません、ペコ“ロス"状態であんまり覚えていないんです)

まあでもあんなに可愛い生きものが観られたことを思えば、トータルで高得点です。

監督はこれがデビュー作となる八鍬新之介氏。
類い稀なる才能の出現で、ドラえもん映画は当分大丈夫でしょう。

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映画ドラえもん 新・のび太の大魔境 ~ペコと5人の探検隊~ DVD通常版
by カエレバ


監督 八鍬新之介
脚本 清水東
原作 藤子・F・不二雄
音楽 沢田完

出演者
水田わさび
大原めぐみ
かかずゆみ
木村昴
関智一
小林ゆう
COWCOW
夏目三久
小栗旬
飯塚昭三