太平洋戦争と沖縄というと、ひめゆり学徒隊がまず思い浮かぶ。

ひめゆりに関する本、ドラマ、映画はかなりの数にのぼるので、それらに触れているうち、もう当時の沖縄のことが分かったような気になってしまう。

こんなことではいけないと、本作『沖縄健児隊』を見てみた。

敗戦からわずか8年後に作られた映画ということもあり、かなり生々しい。

特に爆破シーンがハンパない迫力。
撮影時、けが人が出たのではないかと心配になるくらい。

脚本に関しては、なんとも判断しづらい。

1953年当時は厭戦気分が横溢していたと想像するので、そのぶんを差し引いて、登場人物のセリフを解釈しなければいけないのかなと思う。

戦争の本当の姿をいちばんよく描いている映画は、60〜70年代に作られたものではないだろうか。

つまり、実際に戦争に参加した人たちが社会復帰し、映画を創り出すときまで時を待たねばならなかったという事だと思う。

本作『沖縄健児隊』は、そういう意味で、過渡期に作られた作品と位置づけられる。

ただ、時期が時期だけに資料的な価値は計り知れないものがある。

「死んじゃダメ。どんなことがあっても生き抜いてちょうだい」
という女学生のセリフは美しい。

だが少年たちは、背中に爆雷をしょってアメリカ軍の戦車の中にもぐりこんで自爆しろ、という任務を忠実に遂行し、死んでいく。

いや、多くの者たちはそれすら叶わず、敵の銃弾に倒れていった。

一体何のために、というむなしさばかりが残るけれど、そう思わせることが、制作者の狙いなのだろう。

二度と戦争を起こさせないために───。

br_banner_kokuban


『沖縄健児隊』(allcinemaより一部転載)

監督: 岩間鶴夫
原案: 太田昌秀、外間守善
脚本: 沢村勉
撮影: 生方敏夫
音楽: 黛敏郎

出演:
大木実
石浜朗
田浦正巳
水原真知子
紙京子