もう飛行機が欠乏していて、敵さんにやられっぱなし、という戦争末期のお話。
じっと防空壕の中で耐える…という、戦意高揚映画とは思えない内容だ。
よくまあ軍が公開を許したなあと思うほど。

雷撃隊というのは、いうまでもなく戦艦に魚雷をぶちこむわけだからして、海面すれすれのところを這うように敵艦に近づき、近づけるところまで近づき魚雷を落とすわけだ。

だから、雨あられのような集中砲火の中をひたすら一直線で進まねばならない。
性根が据わっていないと、とてもじゃないができるものではない。

話はそれるが、当時、一式陸攻のパイロットで現在も現役で空を飛んでいるという驚くべきお方がいらっしゃる。
機会があったらぜひご一読いただきたい。



さて、映画のほうだが、さすがにやられっぱなしで終わるわけにはいかず、ようやく飛行機が補充され、一矢報いるという形で終わる。

音楽が「君が代」と「軍艦マーチ」を足して2で割ったような曲で、ちょっと面白い。
あと現地の教会のコーラスや、雅楽を取り入れたりして、かなり凝っている。

野球のシーンでは審判が「ストライク」と言っている。
南方では「よし」とか「だめ」とかじゃなくてもよかったんだ。

主役は藤田進ということになるのかな。
河野秋武が熱演している。
東山千栄子扮する食堂のおかみが、放送禁止用語や危なげな思想を披露しているので、今後テレビ放映されることはないと思われる。

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『雷撃隊出動』(allcinemaより一部転載)

監督&脚本 : 山本嘉次郎
音楽 : 鈴木静一
特技監督 : 円谷英一

出演:
大河内伝次郎
藤田進
森雅之
月田一郎
河野秋武
灰田勝彦
東山千栄子
高田浩吉
黒川弥太郎