ジョセフ・キャンベルの「ヒーローズ・ジャーニー」理論を、
どのように現代に用いたら良いのかを教えてくれる本。
が、個人的に為になったのはテオプラストスの、
「キャラクターの30の類型」の解説のほうだった。

皮肉屋、へつらい屋、無駄口屋、粗野な人間、などなど、
2300年たっても人間って変わってないなあと驚かされる。

アリストテレスの弟子、テオプラストスは市場まで出かけ、人間観察したという。
これは今でいうところのプロファイリングではないか。

小池一夫

秋元康

くらたまなぶ

などなど日本のそうそうたるクリエイター諸氏もプロファイリングの重要性を説いておられる。

ならばこれはもはや世界中で通用するスキル、物語を作る上で身に付けねばならない技術といえる。
今度、巨大ショッピングモールで人間観察してみよう。

「キャラクターの類型30」も手に入れられたし、本書を読んで良かった。

(以下、引用)

テーマを持つ

テーマと前提を認識していれば、全体の芸術的手法の選択は、もっと楽で明確な作業になる。物語の本質を理解し、言いたいことがなんなのかわかっていれば、どんな雰囲気や感情を生みだせばいいかもわかるし、セットをどんな色にするか、ペースはどうするか、どんな音楽を使うかも考えやすくなる。作品に有機的で首尾一貫した感情が生まれ、相互のつながりや目的意識が生まれ、ひとつの背骨、中心となる神経系を核にして組織化された生物のように生き生きとしてくる。

観客との契約

『アビス』の細かいストーリーはあまり覚えていないが、暑い夏の午後、冷たく暗い海の中へ二時間行けただけでも、充分に元は取れた気がする。ジェームズ・キャメロン監督は、『タイタニック』の洗練された世界、『アバター』の魅惑的な世界など、世界そのものを創りだすことにたけている。彼の映画が成功するのは、"私をどこかへ連れてって"という観客との契約を満たしているからとも言える。

両極の対立

考えてみよう

1 吸血鬼ものの"両極の対立"はどこにあるだろう? 『スター・ウォーズ』シリーズでは? 『セックス・アンド・ザ・シティ』では?

2 考えられる両極の組み合わせを20個リストアップしてみよう(正直と欺瞞、緊張と平静、柔軟と頑固など)。リストができたら、それぞれの組み合わせから、物語や対立図式を考えだしてみよう。

3 あなたの人生にはどんな両極性があるだろうか? 家族のなかでは? 身近な社会のなかでは? あなたの住む地域や地方では? あなたの国では? そこにある両極の対立から、物語のアイデアをひねりだせないだろうか?

シノプシスとログ・ライン

僕のワークショップに参加しているライターたちが、自分のアイデアをシノプシスの形にすると、自分が何を知っているか、何を知らないのかに気づき、物語構造のどこを改良すればいいかが見えてくる。シノプシスによってライターは、どのみち途中で行き詰まってしまう作品を何百ページも書いてみる必要もなく、その全体設計を効率的に考えられるようになる。

考えてみよう

1 なんらかの脚本を読み、ログ・ラインとシノプシスだけのカバレッジ・リポートを書いてみよう。"短ければ短いほどいい"ということに気をつけ、ストーリーをA4用紙で二枚以下【訳注 : 日本語なら原稿用紙四〜五枚程度】に要約してみよう。

2 自分があたためているストーリーを使い、ログ・ラインとシノプシスにしてみよう。

キャラクターとテオプラストス

現実味のあるキャラクターを生みだしたり描写したりするための戦略を、いかにして発展させるべきか知りたい物語作家は、テオプラストスを読むことから始めるべきだ。キャラクター執筆の真の先駆者であるテオプラストスが、この問題に取り組むために最初にやったことは、アテネの市場で見かけるおなじみの行動パターンを30あげてみることだった。(中略)
今日でもそのパワーは衰えることはなく、物語作家が自分のキャラクターに生命を吹き込みたければ、スタートラインとするのに役立つ書物である。

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