AimForTheAce17
vol.17 「国際試合で初優勝!の巻」

岡ひろみ強化計画はますますハードになっていく。
ひろみを案じる神谷祐介は、彼氏の藤堂貴之に直談判。
が、格の違いで軽くいなされる。

その神谷が、ヘトヘトのひろみに勝てない。
千葉がリプレイを見せながら丁寧に解説する。

…こういうシーンは今まであまりなかったものだ。
ひろみが他の選手より優れている部分はどこなのか。
ここに来て、キッチリした論理でもって説明されるようになり、説得力が格段に増した。
試合のシーンでも、解説者が技術的に踏み込んだ発言をするようになってきている。

千葉の解説は技術論だけにとどまらない。

もうひとつは 君にはまだ
美しさの意味がわかってないこと

『テニスとバレエのちがいは 前もって
振りつけがしてあるかないかだ』
といわれるんだが 知ってるかい?

美の極致であるバレエのポーズと
テニスのフォームとは 同じだっていうんだ

では 美とはなにか?

『それはある種の衝撃だ』
という

見る者がぼう然とする
あるいは度肝をぬかれる

そういう非凡な要素がないと
人は美しさを感じない

美しいだろう? 岡さんのフォーム

だったら 本来ならその美しさに対して君は
首がへし折れるほどのショックを受けなきゃいけない!

…確かに一流選手のプレイは流れるように美しい。
そこに「ショックを受けなきゃいけない」とは、さすが「エースをねらえ!」、目指しているところが高い。

国際若手女子トーナメントが始まる。
続々来日する選手たち。

ひろみの1回戦の相手はベル・ブラウン。
ひろみは去年、アメリカの招待試合決勝で敗れている。

試合開始。
ファースト・サーブが入らないひろみ。
対するブラウンは絶好調。1セットを先取。
だが、徐々に調子を上げてきたひろみは、熱烈な観衆の後押しもあって鮮やかな逆転劇を見せる。

この試合において、ひろみは、"ライジング・ショット"を初披露した。

いつの間にひろみがそのような秘密兵器を会得していたのか、ブレーンの千葉や尾崎たちさえも知らなかったようだ。
ひろみと桂太悟コーチの結びつきが、故・宗方仁に劣らぬほど強くなった表われとも言える。

そして迎えた準決勝。
ひろみの対戦相手はアンジー・レイノルズ。

二人ともに研ぎ澄まされた集中力を発揮して素晴らしいゲームを作り上げていく。
タイブレークまでもつれた末に、ひろみが勝利、決勝へ名乗りを上げる。

敗れはしたものの、アンジーの表情は晴れやかだ。

不思議なほど くやしくないわ
ほんとよ ジョージィ

わたしはベストをつくしたわ
こんなに気持ちのいい試合は初めてよ

今日からまたがんばって
そして次にはひろみに勝ちたい!

…これぞ「エースをねらえ!」の神髄ではないか。

勝ったからいい、負けたからだめ、と言っているうちはまだまだ相手にとらわれている証拠。
戦うべき相手は常に自分。
問うべき命題は今日を力の限り生き抜いたか。

ひろみのダブルスパートナーでもあるジャッキー・ビントは、宗方仁の壮絶な人生に思いを馳せながら、決勝戦を見守る。

あの若さで幕をおろす人生もあるんだわ!
総べては 誕生と死との狭間の格闘だわ!

緊張感も 充実感も 自分でつくるものよ
自分は自分でムチ打つものよ

しっかり!! 二人とも!!

決勝戦。
ひろみの対戦相手は、ジャッキーの妹ジョージィ・ビント。
姉を取られた恨みはまだ忘れちゃいない。
もの凄い目つきでひろみをにらみつける。

壮絶な消耗戦と化した試合は、観客を熱狂のるつぼに叩き込んだまま、最終セットへ。

ついにひろみはマッチポイントまでこぎ着ける。
あと1ポイント!
ひろみは自らに言い聞かせる。

関係ない
スコアは関係ない!

さあ
今 この瞬間から
試合が始まると思って
ひろみ!

ジョージィのショットがラインをわずかにオーバー。
この瞬間、ひろみの優勝が決まる。

優勝カップを受け取ったひろみは、空に向かって高々と掲げるのであった───。

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