AimForTheAce16
vol.16「胸をはって王道を進め!の巻」

“西高テニス部、弱体化"の記事が新聞に載る。
浮き足立つ部員に声をかけてやってくれないか、
そう太田コーチから頼まれた桂太悟は、
高2の夏に同い年の宗方仁とともに、限界領域児童のキャンプを訪問した話をはじめる。

(「限界領域児童」とは、以下のような児童のことを指す)
重度の肢体不自由におかされ
今年生きているのが限界の子供たち
来年は生きていないだろう子供たちのこと

宗方仁は、車イスの少年さとると知り合う。
さとるの頭には傷があった。
どうしたのかと尋ねると、訓練で転んだのだという…。

(宗方仁)「痛かったろう こんなになったんじゃ」

(さとる)「ウ…ン 車イスがひっくり返って
よく頭うつの
死んだみたいに痛くて
頭われたかと思うんだ…

それで もしかして
こんなに強く打ったから ショックで
こんどこそ病気が治ってるかな?
なんて いつも思うの」

…宗方はさとるをおぶって山の頂上めざしてかけながら、思う。

(宗方)そんな失神しそうな痛みの中でさえ
なんと はかなく ささやかな望みをかけるのだ この子は!

こんなことが こんなにも うれしいものなら
毎日でも 走ってやりたい!

…全力で走り続ける宗方を案じるさとる。
またもや宗方の心は激しく揺さぶられる。

(宗方)疲れやしない!
君はこんなにやせて軽いじゃないか!

その 歩けない小さな子が
五体満足の きたえにきたえた
おれの体を案ずる!

なんという 心の高さ広さ 豊かさだ
それにひきかえ 仁 お前はなんだ!

動けて 走れて
毎日 好き放題テニスができるのに!
なんという心のまずしさだ!

心の美しい子だ 天使のような子だ
力つきて たおれるまで走ってやりたい!

…それから1年あまり過ぎた頃、さとるの母親から手紙が届く。
そこにはさとるの死の報告と、宗方への感謝の言葉が綴られてあった。

それまで、荒々しさばかりが目立つ選手だった宗方は、この出来事を機に変わった…と親友の桂太悟は語る。

(桂)「それからのあいつは
コートの中で 相手選手とでなく
自分自身と戦うようになっていった

自分の甘え 未熟さ トゲトゲしさ
人の心を冷たく貫く言動

そういうものを 次々そぎおとして
あいつはすばらしいプレイヤーに育っていった!
まさに世界に通用するビッグ・プレイヤーだった!
あの夏の日を
あいつはなんど思い返したことだろう

あのやせた 美しい目の少年を
なんど思い返して 自分自身に
ムチ打ったことだろう!

そうして あいつも27の若さで死んだ
みごとな 生きざまだった

西高生よ
あんたら五体満足だろう!」

桂コーチの言葉に活を入れられた西高テニス部は発奮、みごとに関東大会を優勝で飾った。

オーストラリアから、エディ・レイノルズが来日。ひろみの練習相手をつとめ、きっちりとデータ収集をしていく。

その代わりというわけでもないが、ひろみのほうもエディのパパであるレイノルズ・コーチから、対戦相手のデータはすべて受け取っている。
これで五分五分というわけだ。

オーストラリアに戻ったエディはさっそく妹のアンジーらに特訓を施し、ひろみのクセを教えまくる。
そんな兄妹を、物陰から満足げに見守るレイノルズ父さんである。

(レイノルズ・コーチ)がんばりなさい ひろみ!
前回は復帰第1戦だったが こんどは
世界へふみだす ほんとうに大事な試合だ!

時が 音もなく 流れてゆく
若い日々
すべてを プレイにかけて
限りなく夢を広げ…

だがその夢は 散々に打ちくだかれた
戦争
長い長い泥沼
大切な ダブルス・ペアの死
荒れはてた世界

しかし 今こうして
また若くたくましい芽が伸びる!

夢は死なないのだね 宗方君…!
本当に 夢は死なない…!!

アンジー vs. ひろみ
いよいよ次巻で激突か!?


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