AimForTheAce11
vol.11 「栄光への旅だちの巻」

生前、宗方仁は親友の桂太悟と約束をしていた。
「自分の死後、岡のことを頼む」と。

桂と宗方は将来を嘱望されるテニスプレイヤーだったが、宗方は病気発症により引退。
彼の体調異変に気づけなかったことに責任を感じた桂も、後を追うように引退し、住職となった。

宗方が亡くなった今、約束を果たすべく、桂はテニス界に戻ってくるのだった。

宗方死す、のニュースには報道管制が敷かれる。
渡米中の岡ひろみに動揺を与えないようにとの配慮である。

その岡ひろみは絶好調。
以前、ストレート負けしたマリア・ヤングに勝利する。

次の相手はアンジー・レイノルズ。
ひろみの心境はちょっと複雑。
なぜならひろみの新コーチ、レイノルズは、アンジーの父親なのだ。
彼は娘ではなく、ひろみのほうに将来性を感じたようだ。

ひろみ
かならずしもテニスの勝敗だけが
人生の根本問題ではない

生命賭けるものが スポーツであれ
芸術であれ 宗教であれ いかなる道であれ

その道を旅して いかに魂が成長するか
問うべきは常にその一点!

そして 魂を高めるべく
道を求める時
だれも 手をとるあいてを
親子兄弟などのワクの中では
えらばない

極限の厳しさを
極限の愛情を
最高の世界を求め合い
分かち合う あいてとして
えらばれたのだよ 君は

宗方コーチからも
ジャッキーからも
わたしからも!

レイノルズ・コーチの熱い激励を心の糧に、ひろみは強豪アンジー・レイノルズをも撃破するのだった。

…この時点で、ひろみは宗方コーチの死を知らない。
だが、一緒に渡米した仲間たちはすでに知っており、ひろみに気取られないように気づかう姿が痛ましい。

どうやって彼らは宗方コーチの死を知ったのか。
ここが非常に凝った造りとなっている。
一人一人見ていくと…、

藤堂貴之は、今コーチの声が聞こえた、というひろみのひと言で。
お蝶夫人は、父親との電話で、言葉尻から察して。
尾崎は、お蝶夫人が桂太悟を新コーチと思っていることから。
千葉は先輩の手紙から。

こうしてみると、直接的に知ったのは千葉くらいなもので、あとの3人は鋭い勘で知ったわけだ。
彼らはそのことを口にせず、お互いに知らない風を装っている。
だが、宗方コーチの死をすでに全員が知っていたと分かるエピソードがこのあとに起こる。

みんなで食事をしている時、外人選手の後ろ姿をひろみが見間違えて、「コーチ!」と走り寄っていったのだ。
その瞬間、全員がハッとする。
ハッとするお互いを見て、みんな知っていたのか…となるわけだが、いやあ、このあたりの見せ方は山本鈴美香先生、抜群にうまい!

次巻あたりで、宗方コーチの死を知り、悲しむひろみを見なければいけないのがつらいが、さらに読み進めていこう。


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