シェイクスピアの名台詞がタイトルだったり、ヒトラー批判をしていたり、一見小難しい印象があるこの映画。
ネットでも賛否両論のようだ。

私は圧倒的に「賛」だ。
フタを開けてみれば真ん真ん中を行くコメディ。
ルビッチの最高傑作はこれではないのか。

何度見ても吹き出してしまう。
なんなのだ、このおかしさは。
説明できない自分が情けなく、もどかしい。

冒頭で「ヒトラー批判」と書いたが、厳密には「ヒトラーに主体性を明け渡し、ロボットに甘んじた人間たち」を嗤っている映画のような気がする。

祖国があんなことになって、ルビッチも歯がゆかったのかも知れない。

あらすじ(ネタバレあります!)

ポーランドで知らない人はいない人気女優マリア・トゥーラ(キャロル・ロンバード)。
彼女にファンレターが届く。
差出人は見当がついている。
いつも前から二列目に座っている若い軍人に違いない。

マリアは以下のような返事を出す。
「ハムレットが長台詞を喋り出したら会いに来て」

舞台上で進行中の「ハムレット」。
演ずるのはマリアの夫、ヨーゼフ・トゥーラ(ジャック・ベニー)。

一番の聞かせどころがやってきて、厳かに語り出すハムレット。
「生きるべきか、死ぬべきか。それが問題だ…」

そのとたん、立ち上がり退席するソビンスキー中尉(ロバート・スタック)。

役者殺すにゃ刃物はいらぬ、山場で席を立てば良い。
唖然とするヨーゼフ。
かろうじて芝居は続けているものの、もはや死に体…。

第二次世界大戦が勃発。
ソビンスキー中尉らポーランド軍は打倒ナチスを期し、イギリス空軍に合流する。

サロン内。
彼は、ワルシャワに用があるという人物に、マリアへの言づてを頼む。

その人物とはシレツキー教授(スタンリー・リッジス)といい、多くのポーランド兵士たちの家族への言づてを集めていた。

だが、実は彼はドイツ側のスパイであることが後に判明する。
ポーランド人家族や地下組織の住所を握られてしまったからには、シレツキー教授とゲシュタポとの接触をなんとしても阻止せねばならない。

その任務を請け負ったのが、ソビンスキー中尉。
彼は、ドイツ軍の砲弾をかいくぐり、パラシュートでポーランドに降下。
地下組織に指示書を渡そうとするが、直前でドイツ軍に阻まれてしまう。

ここでちゃっかりとマリアのもとを訪ね、指示書を託すソビンスキー。
そこまで仲良くなっていたのね。

マリアは無事に任務を果たす。
ソビンスキーはマリアのベッドでグーグー寝ている。(笑)

このあとマリアはドイツ軍に拘束されてしまう。
連れて行かれたところは、ドイツ軍が占領しているホテルの一室。

そこにはシレツキー教授が待っていた。
律儀にもソビンスキーからの他愛ない言づてを伝えようというのである。

ナチス軍に協力するようにいわれるマリア。
つまり自分のようにスパイになれということだ。

断固として拒否するマリア。姐さん、かっこいい!

自宅では夫とソビンスキーが揉めていた。
だが今はそんな時ではない。
ポーランドの地下組織が壊滅するかどうかの瀬戸際なのだ。

夫のヨーゼフは半ばやけくそ気味に、シレツキー教授の暗殺を請け負う。
だがどうやって?

ここからヨーゼフ&マリア・トゥーラ劇団あげての大芝居が幕を開ける。。。

…長くなりそうなのでこのへんで。

ネットではキャロル・ロンバードの評価がとても高いようだ。
彼女は、本作の公開直前に飛行機事故で他界している。

私は、ジャック・ベニーにもやられた。

YouTubeにけっこうテレビショーが上がっているが、字幕無しなのが残念。
英語を勉強しとけば良かったなあ。。。

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関連リンク : エルンスト・ルビッチ監督作品(いちおう年代順です)
★★☆☆☆ 『牡蠣の王女』(1919・ドイツ)

★★★★★ 『花嫁人形』(1919・ドイツ)

★★★☆☆ 『デセプション』(1920・ドイツ)

★★★★☆ 『結婚哲学』(1924・アメリカ)

★★☆☆☆ 『ウィンダミア夫人の扇』(1925・アメリカ)

★★☆☆☆ 『山の王者』(1929・アメリカ)

★★★☆☆ 『ラブ・パレード』(1929・アメリカ)

★★★☆☆ 上質な時間、『モンテカルロ』(1930・アメリカ)

★★★☆☆ 『陽気な中尉さん』(1931・アメリカ)

★★★★☆ 『私の殺した男』(1932・アメリカ)

★★★☆☆ 『君とひととき』(1932・アメリカ)

★★☆☆☆ 『極楽特急』(1932・アメリカ)

★★★☆☆ 『生活の設計』(1933・アメリカ)

★★★☆☆ 『メリー・ウィドウ』(1934・アメリカ)

★★★★☆ 『天使』(1937・アメリカ)

★☆☆☆☆ 『青髭八人目の妻』(1938・アメリカ)

★★★★★ 『ニノチカ』(1939・アメリカ)

★★★★☆ 『街角 桃色の店』(1940・アメリカ)

★★☆☆☆ 『淑女超特急』(1941・アメリカ)

★★★★★ 『生きるべきか死ぬべきか』(1942・アメリカ)

★★★★☆ 『天国は待ってくれる』(1943・アメリカ)

★☆☆☆☆ 『ロイヤル・スキャンダル』『クルニー・ブラウン』『あのアーミン毛皮の貴婦人』

<書籍>

「ルビッチ・タッチ」ハーマン・G・ワインバーグ(著),宮本高晴(訳)

To Be or Not to Be

監督: エルンスト・ルビッチ
製作: アレクサンダー・コルダ
脚本: エドウィン・ジャスタス・メイヤー
撮影: ルドルフ・マテ
音楽: ウェルナー・ハイマン

出演:
キャロル・ロンバード
ジャック・ベニー
ロバート・スタック
ライオネル・アトウィル
フェリックス・ブレサート
シグ・ルーマン
トム・デューガン
ヘルムート・ダンティーネ
スタンリー・リッジス