モーリス・シュバリエとジャネット・マクドナルドのコンビは
『ラブ・パレード』や『君とひととき』でおなじみ。

関連エントリ ;
『ラブ・パレード』(1929・アメリカ)

『君とひととき』(1932・アメリカ)

『メリー・ウィドウ』は『ラブ〜』をさらにスケールアップさせた感じの映画だ。

大使館邸での大舞踏会で数百人が踊るシーンは圧巻だ。
が、しかし「粋」を信条とするルビッチがこれをやらなくても、とも思う。

制作費や大人数にたのんで観客を圧倒させようとする演出は、腕に自信のない二流以下の監督にくれてやればよい。

あらすじ(ネタバレあります!)

大富豪の夫を亡くしたソニア(ジャネット・マクドナルド)は、1年近くたっても未だに喪に服している。

そんな彼女を町で見かけたプレイボーイのダニロ伯爵(モーリス・シュバリエ)は彼女に求愛するが、あえなく玉砕しまう。

ソニアは顔をおおうベールを下ろしたまま応対し、ダニロに素顔さえ見せてくれなかった。

しかし、このことがきっかけでソニアの生活に張りが出てきた。
彼女は気分一新、パリに遊びに行くことにする。

これを聞いた国王は大慌て。
なぜなら国の資産の半分以上は彼女のものなのだ。

もし、ソニアがフランス男と再婚でもして、今住んでいる小国を出て行けば、国はたちまち破産してしまう。

国王はハニートラップを仕掛ける。
ソニアの心を射止めるという重大任務を、国内きってのプレイボーイ、ダニロに託す。

ダニロは本来このような陰謀を良しとしない性格だ。
が、国王の妻との浮気がバレたので引き受けざるを得ないのである。

とにかくダニロはパリへと赴く。
とりあえずはなじみの店「マキシム」へ。

「ぼくはこれからマキシムに行くのさ〜♪」という、
ダニロの陽気な歌声を聞きとめたソニアも、彼を追って「マキシム」へ。

「マキシム」でのダニロはモテまくり。
そこに現われたのが新顔のフィフィ。

このフィフィというのが、ソニアその人。
ソニアの素顔を知らないダニロは「フィフィ」に熱烈アタックを開始。

二人は結ばれそうなところまでいくが、ダニロの軽佻浮薄さを「フィフィ」はどうしても許せない。
彼女は怒って帰ってしまう。

ダニロはそのまま「マキシム」に居続けでグデングデン。
この時、大使館の晩餐会に出席するよう迎えが来る。

ダニロは女たちの前で
「大富豪未亡人をおとす密命を帯びている」
ことをばらしてしまう。

大使館邸で晩餐会がひらかれる。
「ソニア」と引き合わされたダニロは唖然とする。
ここではじめて「ソニア」=「フィフィ」だと知るダニロ。

ぎこちなく交わされる挨拶。
だが、もともと憎からず想いあっている二人は踊っているうちに打ち解けてくる。

しかしそのときすでに「大富豪未亡人、ダニロ伯爵と婚約」のニュースが先走って流れてしまっていた。
「マキシム」の女たちが黙っていられるわけがなかった。

結局お金が目当てだったのね、と深く傷ついたソニアにかける言葉の見つからないダニロだった。

この後、ダニロは反逆罪で裁判にかけられる。
ソニアは証人として出廷。
それもなんと「被告側の証人」として。

だがその言い分がふるっている。
「ダニロの無罪を主張します。彼は国の命令通りに行動したまでです。私を傷つけることも全くいとわずに」

これにはひとたまりもないダニロだった。
彼は自ら、思いやりを忘れていた自分に有罪を課した。

ダニロの刑務所生活。
女子房からパーティーに誘われたり、なかなか楽しくやっている様子。

そこへソニアが面会に来た。
独房の中に二人きりというシチュエーション。

外には国王やら大使館員やらが全員勢揃い。
このさい二人を閉じ込めて、結ばれるまでは牢から出さないといういささか乱暴な作戦だ。

二人はあえてその作戦に乗ってあげて…という態の照れ隠しか、とにかく仲直りをし、結婚を約束しあう。

すると小窓から神父が顔を出し、
「誓いますか?」

二人の答えはもちろん……書くまでもないですね。

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関連リンク : エルンスト・ルビッチ監督作品(いちおう年代順です)
★★☆☆☆ 『牡蠣の王女』(1919・ドイツ)

★★★★★ 『花嫁人形』(1919・ドイツ)

★★★☆☆ 『デセプション』(1920・ドイツ)

★★★★☆ 『結婚哲学』(1924・アメリカ)

★★☆☆☆ 『ウィンダミア夫人の扇』(1925・アメリカ)

★★☆☆☆ 『山の王者』(1929・アメリカ)

★★★☆☆ 『ラブ・パレード』(1929・アメリカ)

★★★☆☆ 上質な時間、『モンテカルロ』(1930・アメリカ)

★★★☆☆ 『陽気な中尉さん』(1931・アメリカ)

★★★★☆ 『私の殺した男』(1932・アメリカ)

★★★☆☆ 『君とひととき』(1932・アメリカ)

★★☆☆☆ 『極楽特急』(1932・アメリカ)

★★★☆☆ 『生活の設計』(1933・アメリカ)

★★★☆☆ 『メリー・ウィドウ』(1934・アメリカ)

★★★★☆ 『天使』(1937・アメリカ)

★☆☆☆☆ 『青髭八人目の妻』(1938・アメリカ)

★★★★★ 『ニノチカ』(1939・アメリカ)

★★★★☆ 『街角 桃色の店』(1940・アメリカ)

★★☆☆☆ 『淑女超特急』(1941・アメリカ)

★★★★★ 『生きるべきか死ぬべきか』(1942・アメリカ)

★★★★☆ 『天国は待ってくれる』(1943・アメリカ)

★☆☆☆☆ 『ロイヤル・スキャンダル』『クルニー・ブラウン』『あのアーミン毛皮の貴婦人』

<書籍>

「ルビッチ・タッチ」ハーマン・G・ワインバーグ(著),宮本高晴(訳)

The Merry Widow (KINENOTEより一部転載)

監督 エルンスト・ルビッチ
脚色 エルネスト・バイダ 、サムソン・ラファエルソン
原作 ビクター・レオン、レオ・ステイン
製作 アービング・G・タルバーグ
撮影 オリバー・T・マーシュ
美術 セドリック・ギボンズ
音楽 フランツ・レハール
振り付け アルバーティナ・ラッシュ

出演
モーリス・シュバリエ Danilo
ジャネット・マクドナルド Sonia
エドワード・エバレット・ホートン Ambassador
ウナ・マーケル Princess
ジョージ・バービア Prince
ミナ・ゴンベル Marcelle
ルース・チャニング Lulu
スターリング・ホロウェイ Orderly
ドナルド・ミーク Valet
ハーマン・ビング Zizipoff