日本が誇るトップストライカーが鈍足だなんて!
タイトルが上手すぎる。

マラソンランナーがたとえ100メートルのタイムが遅くても、鈍足とは言わない。
それと同じで、瞬発力を武器に世界と渡り合っている岡崎選手が鈍足なわけがない。

と思いながら読み始めたら、あらら、やっぱりタイトルに偽りなしだった。
しかしそこから努力に努力を重ね、かなり速くなったというのだからすごい根性の持ち主だ。

人より遅いから、人一倍努力した。
そしたらどんどんサッカーが上手くなった…。

そう考えると、長所があるって一見良いことのようでその実、人を怠けさせたり、驕らせたりする怖いところがある。
逆に短所はその人を謙虚にさせ、努力しなくちゃって発憤させてもくれる。
短所があるっていいことなんだ。短所バンザイ!

(以下、引用)
小学校から中学校まで所属していた宝塚ジュニアFCの山村俊一コーチが、繰り返し教えてくれたのが、ダイビングヘッドだった。
「恐れずに、アタマから突っ込んでいけ!」
足で合わせられる低い弾道のボールにも、飛び込んでアタマで押し込むように刷り込まれた。アタマから突っ込むのを怖がっていると、お仕置きにジャイアントスイングというぷろれすの技をかけてくるようなコーチだった。最近、僕の生え際はだいぶ後退しているけれど、あの練習のせいで毛根が破壊されたのかもしれない。ダイビングヘッドの練習を何万回も繰り返したから。(p22)

ゴールを見ることだけに集中する

多くのゴールを決める

そこから余裕が生まれる。

「ゴール」という幹をくっきり捉えることで、今度はゴール以外の枝葉部分も目に入るようになったのだ。
最近になって気づいたのは、そうした考え方は他にも応用出来るということ。余計なものをシャットアウト出来れば、不器用な人間でもそれなりの成果を手に出来るような気がしている。(p37)

(岡崎選手のパーソナルコーチを務める杉本龍勇氏の考察)
岡崎がここまでの選手になるとは、出会った当初を踏まえると全く想像出来なかった。しかし、これまでの彼の選手としてのプロセスを振り返ってみると、彼の成長には明確な理由が4つ存在する。

1.課題意識
2.取り組む姿勢
3.貪欲な目標設定
4.身体の強さ

この4つの項目は今も感心することであり、成長の理由だけに留まらず、人としての魅力でもある。彼を一言で称すると「努力の才人」である。この4つの項目に関しては、誰もが参考になる部分である。(p78)

昔から変わらないことがある。僕は最後までグラウンドに残って練習するようにしている。別に監督にアピールしたいからではない。そうしないとなんだか落ち着かないのだ。
マインツに来てからもしかり。夕方から始まったチームの練習が終わってから、暗闇のなかで照明を頼りにボールを蹴ることもある。最近は、グラウンドをゆっくり走っていることが多い。この習慣だけはずっと変わることはないんだろうなと思っている。
理由を聞かれたら、すぐに答えられる。
「上手くなりたいから」
だから、チームの練習が終わったあとにも、自分に問いかけずにはいられない。
「ここで練習をやめていいのか? 全力でやりきったのか?」(p112)

頑張ることを恥ずかしがって、例えば80%の力で取り組んだら、やはり80以上の成果は得られないだろうし、80より下の成果しか得られない。僕はやはり100%で取り組むことをすすめたい。そうしないと、いつまでたっても自分の100が100のままで変わらない。100の枠組みを、100の体積を、自分なりに大きくしていかないと、そこから先の成長はない。
カッコ悪いな、と思っても、まず100%で振りきること。それが自分がググッと成長するときのベースになる。(p117)

そんな苦労人のおばあちゃん(89)は、僕の心もお見通しだ。シュツットガルトでの最後のシーズン、僕は思うように結果を残せなかったし、自分があのチームで何をすべきか迷っていた部分も合った。苦しいと思うときも少なくなかった。そんなとき、おばあちゃんはメールをくれた。
「おばあちゃんも手術をして、暗い気持ちで過ごしていたこともありました。足が悪くなって、リハビリをしていたときも苦しかったわ。でも、そんなときには一歩、一歩、前に進んでいくしかないと思って、頑張っていました。
慎ちゃんも今は苦しいかもしれない。みんなからの期待もあるでしょう。でも、一度にやれることがたくさんあるわけではないのよ。シンプルに考えて、頑張ればいいんちゃう? 応援してるで(*^_^*)」(p188)

(2010南アフリカW杯、日本の敗退が決まった日の夜)
(本田)圭佑と話していくなかで、こみ上げてきたのは2つの悔しさだった。

1.自分たちのやりたいサッカーが出来なかった悔しさ。
2.自分がチームにあまり貢献出来なかった悔しさ。

あのとき、守備的なサッカーをすることになったのは仕方がない面もあった。でもあのようなサッカーでは限界があるなと大会を通して感じていた。僕たちなら、もっと攻撃的なサッカーで世界を驚かせることが出来るはず、とも。その悔しさが、大会以降の僕たちの心のよりどころというか、原動力になっていると思う。
南アフリカが終わってみると、大会前とはワールドカップへの想いが大きく変わった。あの大会の意味や大きさに気がついていなかったころの僕ではない。(p253)


目次 CONTENTS

1章 僕はコンプレックスだらけ

鈍足バンザイ!
ガムシャラバカからの脱却
チビでも大丈夫
基本、ネガティブ
不真面目かっ!
視野が狭い
猪突“盲"進
思考が単純
誰かにほめられたい
人気もない
センスがない
極度のアマノジャク
ケンカが出来ない
へらへらキャラ
常にブレブレ

コラム「岡崎の成長過程に対する考察」文 : 杉本龍勇

2章 笑うオカザキに福きたる!

「笑う」を突き詰めたい
屈託なく笑う
不敵に笑う
笑いで誤魔化すべきではない
笑顔は心のバロメーター

3章 アマノジャクな成長論

先ず、「難しい」から始めよ
ミスがメンタルを鍛えてくれる
マイ・アイドルを作る!
メディアはサッカーノート
全幅の信頼を表現し、ときには傾倒する
グラウンドは最後に出る
カラダのリミットを振りきる
人の失敗に勇気をもらう
成功しても、あえてアラを探す

コラム「代理人・ロベルト佃が考える、オカの成長キーワード9」

4章 ゴールを奪うための心構え

エゴイスト宣言
2009年16試合15得点
雑念を排除する
理想と現実は、やっぱり違う
ベストゴールの定義
一夫多妻制
裏をとる

5章 ゴールは人との絆でとれるもの

原点・宝塚ジュニアFC
空回りキャプテン
ダイゾウさんの想い
先輩に甘える
先輩から感じる
俊さん会
恩師・黒田先生の教え
高徳と宇佐美
切磋琢磨
おばあちゃんは一番のサポーター
父は癒し系
母もアマノジャク!?
アニキ

2人の息子たち
兵庫への恩返し
心に残る6つの言葉

6章 ドイツで学んだこと

監督を信頼しすぎてはいけない
気分転換が難しかった
芯の部分は変えるべきではなかった
移籍は恥ずかしくない

7章 僕とワールドカップ

根拠のない3ゴール宣言
外されてホッとしてしまった
ゴールは、嫁とのツインシュート
圭佑と語り合った最後の夜

あとがき


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