マンガ界の大御所・小池一夫先生がツイートされていたので、これはいつか観なければと思っていた。



実行に移すまで一ヶ月かかった。レスポンスわるっ!

原作はジョン・スタインベック。畏れ多すぎて一作も読んでいない。
タイトルからして何だか暗そうで……。
しかし、観てよかった。
次どうなるのかまったく展開が読めず、最後まで緊張感を保っていられた。

おつむのちょっと足りない弟と、それをかばう兄の話かと思いきや、なんとこの二人は血が繋がっていなかった。
それでもずっと面倒を見てきたってことは、ゲイリー・シニーズ演ずるジョージってめちゃめちゃいい奴じゃん。
それがある事柄がきっかけで……という怖い話。

この中で起こる出来事をまったくの他人事として、いろいろ裁きを下すことはできる。
でも、実際に自分があの立場に置かれたら、絶対にAを殺さなかったと言えるだろうか。
私は引き金を引いたBを責めることができない。
おそろしいことだが、あの銃声はBにとって祝砲ではなかったかとさえ思う。
ああなって初めてBは解放を、自由を手に入れることができたのだ。
そんな悪魔的な考えを抑えきれない。

おそらくBはその後、使われる側から使う側に転身できたろう。
彼自身が二十日鼠から人間になるためにああするしかなかったとも思う。
だが心のほうはそれと引き替えに、人間であることを捨てて二十日鼠の位置にまで墜ちたかも知れない。

だとしてもまだBの行動を否定しきれないものが残る。
実に悩ましい物語だ。小池御大が推薦されるのもむべなるかな。
原作、読んでみよう。1939年版の映画も機会があれば……。

あらすじ(ネタバレあり)

大男で怪力のレニー(ジョン・マルコビッチ)は知恵遅れで、子どもの頃からジョージ(ゲイリー・シニーズ)に助けてもらっている。
彼等は雇われ労働者として生計を立てているが、レニーがたびたび問題を起こすので、ひとつところに留まることができず旅また旅の生活を強いられている。

二人の夢は、いつか自分たちで牧場を持って悠々自適の生活をすることだ。
だが現実は厳しくお金はほとんど貯まらない。
それでもジョージは熱く夢を語り、レニーは大喜びでそれを聞くというのが二人のおきまりの儀式になっていた。

レニーのペットは死んだ二十日鼠だ。
ジョージはさすがにガマンできずにそれを捨てる。
大泣きするレニーに、いつか兎を飼わせてやると約束してなだめるのだった。

二人の今度の雇われ口は、タイラー牧場だ。
バスの運転手にからかわれて、16キロも歩かされるはめになり大遅刻。着いた途端に大目玉を食らう。

今度の農場にもいけ好かない奴がいた。
地主の息子のカーリー(ケイシー・シーマツコ)は背が低いのが劣等感の種らしい。さらに女房(シェリリン・フェン)が小作人たちに色目を使うのでしょっちゅういらだっていた。

ジョージはレニーに、絶対に問題を起こすな、絶対に女房を見るなと厳しく言い聞かせる。
もしトラブルがあったらあの茂みに隠れていろ、とも。

果たしてトラブルは起こった。
カーリーが、普段は大人しいレニーを与しやすいとみてケンカをふっかけてきたのだ。
一方的に殴られっぱなしのレニーだったが、ジョージのゴーサインが出た途端に、カーリーの右手を粉々に砕いてしまう。
この一件は班長のスリムがうまく処理し、事なきを得た。

ある夜、ジョージとレニーがいつもの調子で将来の夢を語り合っていると、声をかけてくる者があった。
長年この農場に勤めているキャンディー老人(レイ・ウォルストン)である。

先日、愛犬を小作人仲間に殺処分されすっかり意気消沈していたキャンディーはこの話に一も二もなく食いついてきた。
ジョージが、600ドルあれば土地が買えるというと、キャンディーは350ドル出すから仲間に入れてくれと頼む。
あと一ヶ月働けば100ドル上乗せして450ドルになる。
それなら何とかなるかも知れない。
ジョージは売り主に手紙を書くことにする。
夢が一気に実現に近づき大喜びする3人。

午後の休憩時間、小作人たちが蹄鉄投げで遊んでいるとき、レニーだけは納屋にいた。
飼っていた子犬が死んでしまい、それを埋めにきたのだ。そこへカーリーの女房がやって来た。
レニーはジョージの言いつけどおり彼女を避けようとするが、子犬を見つけられ、ついつい話し込む。

成り行きから彼女の髪を撫でているうち、興奮してきたレニーは彼女の首の骨を折り、絶命させてしまう。
レニーは逃げ出す。ジョージの言いつけどおり、あの茂みの中へ。

彼女の死体を発見したのはキャンディーだった。彼から第一報を受けて現場を検分したジョージは、レニーが犯人だと察する。

ジョージは自分に疑いがかからないように、自分がその場を離れてから騒ぎ出してくれとキャンディーに頼む。キャンディーは言うとおりにし、全員が集まってきた。

逆上する夫のカーリー。全員、猟銃を持っての山狩りが始まった。

ジョージは最後に出て行った。目指すは以前に取り決めていたあの茂みだ。
レニーはいた。抱きあう二人。
他の人間が来る気配はまだ無かった。
レニーは自分がしたことの重大さなど分かっていない。
ただ、ジョージが怒っているかどうか、それだけが心配だった。
怒っていないというジョージ。
安心するレニーは、またあの話をしてくれよとせがむ。
ジョージはレニーの背後に回って話し出す。

オレにはお前が必要、お前にはオレが必要。
いつか小さな農場を持って、牛や豚を飼って……

ジョージの撃った弾丸がレニーの後頭部を貫いた。

br_banner_kokuban

二十日鼠と人間 [DVD]
by カエレバ


参考リンク ;

二十日鼠と人間 (1992年の映画) - Wikipedia

二十日鼠と人間(1992) | Movie Walker

約束のよろこび消えはてぬ 『二十日鼠と人間』 : シネマ・クレシェンド

二十日鼠と人間 - CINEmaCITTA' - Yahoo!ブログ

「二十日鼠と人間」 2006 SHIGE'S CINEMA REVIEW 29 - THE MOVIEST CINEMER - Yahoo!ブログ

二十日鼠と人間 - らぐなの映画日記 - Yahoo!ブログ

映画 二十日鼠と人間(1992米):e-徒然草:So-net blog
_________________

Of Mice and Men

監督
ゲイリー・シニーズ

脚本
ホートン・フート

原作
ジョン・スタインベック

製作総指揮
アラン・C・ブロンクィスト

製作
ゲイリー・シニーズ
ラス・スミス

撮影
ケネス・マクミラン

美術
デイビッド・グロープマン

音楽
マーク・アイシャム

編集
ロバート・L・シニーズ

ゲイリー・シニーズ (ジョージ・ミルトン)
ジョン・マルコビッチ (レニー・スモール)
レイ・ウォルストン (キャンディ)
ケイシー・シーマツコ (カーリー)
シェリリン・フェン (カーリーの妻)
ジョー・モートン (クルックス)