才輝礼讃 - 38のyumiyoriな話

本書は、読売新聞夕刊などに、
3年間にわたって連載された対談をまとめたものです。
38人の顔ぶれが豪華で多彩。さすがはユーミンといったところ。

中には毒舌で有名な方も何人かいらしたので、
気の強さと気位の高さでは右に出る者がいないユーミンとの
デンジャラスなバトルを期待したのですけれど、
そこはさすがに大手の新聞社。無難な内容になっています。

それでも太田光さんや宮藤官九郎さんなどは
かなりきわどいところまで踏み込んでいて、
ハラハラしつつも笑わされてしまいました。

最近はなぜか個人的にユーミン・ブームが来ていて、
昨日も『OLIVE』をポチらせていただきました。
月に一枚くらいのペースで買い直していこうかなと思っております。
なにか新しい発見があるといいなあ。

※ 以下、引用です。

p14
爆笑問題・太田・・・・・・松任谷由実のすごさっていうのは、本当にメジャーってことですよ。
松任谷さんはど真ん中歩いてきたじゃないですか。
社会現象起こして、みんな、金もねえのにスキーやらされて(笑)。
それはもう圧倒的だなって思います。

p18
唐沢寿明・・・・・・もういい加減、戦争やめたほうがいいね。
歴史に学んで。なんで成長しないんだろう、人間って。
何だろう、何がそうさせるんだろう。欲望かなあ。
闘争本能なのかなあ。

松任谷・・・・・・人間はトッププレデターだからね、
一番捕食者というかね。

p21
松任谷・・・・・・ネットの方が早くなっちゃった今、どうですか。

久米宏・・・・・・僕自身、テレビより、ネット見てる時間が長いですからね。
僕が小中学生のころ、映画館にはドアが閉まらないくらいのお客さんがいたんです。
それが、テレビが始まってしばらくしたら、パタッと来なくなった。
その話をテレビマンにしても、「へえ〜」って、他人事のように(笑)

松任谷・・・・・・たとえなのにねえ(笑)。

久米・・・・・・そういう日が、突然来るんです。テレビが、
日本映画が復活したのと同じ道をたどるとは思えない。

p47
宮藤官九郎・・・・・・ユーミンはパンクだと思いますよ。
『守ってあげたい』をもう一回改めて聴いた時に、すごくびっくりしましたね。
「こっちまでブルーになる」ってフレーズに。
一番で「守ってあげたい」って言っているのに、二番で逆ギレするのかみたいな(笑)。

p71
石原慎太郎・・・・・・音楽は一番スポーツに似ていると思いますね。

松任谷・・・・・・そうですね、時間をデザインするという点で似ています。
その時間をどうパフォームするかという意味で。

石原・・・・・・難しいこと言うなあ。絵とか文字には、素材や言葉がありますが、
音楽は、生で五感に響いてきますよね。
スポーツも同じで、官能、つまりエロスのエクスタシーなんだよね。
文学っていうのはロゴスのエクスタシーだから、音楽とはぜんぜん違う。
音楽は官能そのもの。

p89
松任谷・・・・・・私、(元大関の)栃東さんと仲良しなんですけど、
いつも朝青龍さんに昇進を阻まれてた。
張り手をされて、血だらけにされて。でも、入幕した頃って、意外に相性が・・・・・・。

朝青龍・・・・・・悪かったですよ。栃東強いよ、強かった。
ファンはどう思っているかわからないけど、自分は、すごい余裕がない力士なんですよね。
これは簡単に勝てるという相手は一切ない。それは体が・・・・・・。

松任谷・・・・・・184センチ。そんなに大型じゃない。

朝青龍・・・・・・土俵に上がって最初に体を叩くのは、ただのパフォーマンスじゃないんです。
意識を高める。俺はお前より強いんだって。
自分自身に勝たないと、相手の力士に勝てることは絶対にないからね。
命を懸けるぐらいの気持ちでやってるもんだから。

p95
松任谷・・・・・・『アンパンマン』について、先生は、ひもじい人がいたら
顔の一部を食べさせてでも助けるのが正義だとおっしゃっていましたね。

やなせたかし・・・・・・いがみ合っている人たちがいて、
両方とも自分は正しいと言ってる。
しかし、本当の正義ならば、目の前で飢えてる人を助けるのが先なんじゃないかと思った。
それでアンパンマンを作ったんですね。ただし、この正義を行う場合には、
本人も傷つくということを覚悟しなくちゃいけない。
線路に落ちた人を助けるのは正義、
川で溺れてる生徒を助けるのも正義。
しかし、その正しさのために自分が死んでしまうことはありうる。
電車の中でタバコを吸ってる人に注意して、逆に殴られることだってある。
自分が傷つくことなく正義を貫くのは、時に難しいんです。
それで、自分の顔をちぎることにした。
だから、子供には絶対ウケないと作者は思ったわけ。
それを読んだ周りの大人にも、「やなせさん、こういうお話はダメです」って言われたんだ。
ところが、実際本が出てみると、そうじゃなかった。
二歳とか三歳の子供に、一番ウケてしまったんです。

p171
辻井伸行・・・・・・いい環境に恵まれて本当によかったと思います。
両親は自分のやりたいことを何でもやらせてくれるし、
「練習しなさい」とか一切言われたことがないし。
よくコンクール会場なんかで見かける、ピアノをやってらっしゃるお母さんはすごく厳しくて、
「ああ、こういう家に生まれたら絶対ピアノやめてたな」と思って。

松任谷・・・・・・ステージママになることと愛情を注ぐっていうこととはぜんぜん違うんですよね。
辻井家は幸せの天才家族ですよね。ピアノの天才とか、子育ての天才とかじゃなく、
楽しいところには楽しいことが集まってくるという。すごいなあ。

p178
松任谷・・・・・・好奇心が震えたものは必ずや身になると思ってます。

池上彰・・・・・・私なんかね、歳月を積み重ねるにしたがって、
だんだん心が震えなくなってくるわけですよ。
心震える状態を維持するためにはどうすればいいんですか。

松任谷・・・・・・それはもう、命題です。
ちょっとでも震えたことには、積極的に行く。
そうすると棒に当たる。そういう訓練の連続かなあっていう。

p185
松任谷・・・・・・ウエディングドレスをグロテスクだと思っていらっしゃるという。

松井冬子・・・・・・ああ、薄気味悪い代物だと思ってます。
もう、小さな頃から、女子が憧れるべきものとして叩き込まれるでしょう。
王子さまと結婚してウエディングドレスを着るのが最終的な女性のゴール、
というイメージに興味がないというか、
そういう勝手に植えつけられるものに対して気持ち悪いなと。

p222
松任谷・・・・・・私ね、学生の時に『悪魔のいけにえ』見て、めちゃくちゃ怖かった。

おすぎ・・・・・・大好きよ。あたし、怖くて落っこったんだもん、椅子から。

松任谷・・・・・・監督のトビー・フーパーは、あの時点では映像論とか
全然勉強してなかったんですって。で、月を無意味に何秒も映してたりとか、そういうのが怖い。

おすぎ・・・・・・そうなの。最初に車が海辺の街を入ってくるところ、
「あら、きれいなとこね」っていうふうに、まず見せるところがすごいのよね。

松任谷・・・・・・怪談ものって、美女の顔が崩れるから怖いんですもんね。

おすぎ・・・・・・あ、『エンゼル・ハート』は怖かった。
あれね、今でもあたし、DVD見てないの。

p204
立川談志・・・・・・あのねえ、あなた、アニメ映画の『PiPi とべないホタル』の歌
(『Weaver of Love ~ ORIHIME』)を歌ってたろ。あれ良かったなあ。

松任谷・・・・・・ありがとうございます。本当に光栄です。

談志・・・・・・あれ偶然見てね、かわいい漫画なんだ。
私は漫画も好きだしね。手塚治虫さんが友達だったから。

松任谷・・・・・・やっぱりすごい方でしたか。

談志・・・・・・ええ。素晴らしい人です。落語立川流の顧問でね。
森繁久弥、先代の中村勘三郎、色川武大・・・・・・、もうみんな死んじゃいましたけど。
あの世でまた会えるでしょうね、きっと。

対談した方々 :

爆笑問題
唐沢寿明
久米宏
吉永小百合
市川海老蔵
北島三郎
宮藤官九郎
石田衣良
小林武史
石原慎太郎
益若つばさ
森光子
やなせたかし
姜尚中
やくみつる
鳩山幸
三谷幸喜
森英恵
寺島しのぶ
隈研吾
中井貴一
辻井伸行
池上彰
松井冬子

高橋尚子
上野千鶴子
おすぎ
根岸英一
井上真央
井上陽水

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