サブタイトルは
「リストラ予備軍」から「最年少役員」に這い上がった男の仕事術
となっています。

ちまたでの評判がとても良いので、手に取ってみたところ、
期待に違わず、ためになる話がてんこ盛りでした。

本書を読んで、なるほどと思ったのは、
「サラリーマンから独立して成功するような人は、
もしそのまま会社に残っていたとしても
それなりに出世したはずだ」という考察。

たしかにそうですね。
それならば、独立を目指すのであれば
まずは会社に貢献し、その過程でスキルと実力をたくわえよう、
という考えに至るのもうなづけます。

そして、その先がユニークなんですけど、
もし起業した場合に、成功できる見通しが立っても、
そのままサラリーマンで居続けるという道もありだよ、
という提案が面白いです。

いわば、新しい就職先を常に確保できている状態
とでも言ったらいいでしょうか。
この立場ですと、かなり強気になれるだろうし、
職種によりますが、思い切った仕事ができそうです。

そのためには、何はともあれ自分を磨いて
大きくなっていく必要がありますね。
本書には、そのノウハウが惜しみなく明かされています。
なかなか熱い内容ですよ。おすすめです!

(以下、引用)
ある夜、寒空の下でタクシーを待っていたことがありました。
自分の乗った終電が途中駅止まりだったので、数駅前でしょうがなく降りたのです。
ところが駅前のタクシー乗り場には行列ができています。
終電ですから、みんな考えることは一緒です。
「まいったな。この寒いなかで、こんな長い行列に並ぶなんて」
途方に暮れましたが、ほかに方法もなく、15分くらい並んでいました。
まだまだ先が長いと思っていると、いままさにタクシーに乗り込もうとしている、
僕からすればうらやましい男性が行列のほうを振り返ったのです。そして、
「○○方面の方、いませんか」と大きな声で行列に呼びかけた。
僕の家はたまたそちら方面だったので、もう喜んで手を挙げました。
ほかにも二人が手を挙げ、結局、四人で乗ったのです。
そのとき僕は「これこそが効率化だ」と思いました。
(中略)
なぜなら、その行列から一気に四人も減ったわけです。
後工程の人はみんな助かる。
「何だ、俺を抜きやがって」と文句をいう人は誰もいません。
なぜなら列の人数は減っているからです。
なおかつタクシー代は割り勘になりますから、タクシーに乗った四人もハッピーです。

たとえば赤川次郎さんという作家は、今までに400冊以上も本を出しています。
この人は天才だから特別だと思ってしまいますが、
年間に1000冊以上の本を読んでいるそうなのです。
作家デビューした1976年から年に1000冊読破し続けたとすると、
累計35000冊の本を読んだことになります。
本を読んだからといって本が書けるわけではありませんが、
読んだ本の数に対して出した本の数は1.14%ですから、
アウトプット率としてはよくありません。
(中略)
ということは、いつも一発ホームランを狙うのではなく、
空振りはするものだと覚悟して、できるだけたくさんバットを振ることです。
「俺は299回も空振りしてるのに、ヒットしない」と落ち込む必要はまったくありません。
そして空振りしたら、なぜ空振りしたんだろうという分析をすることです。
よくプロゴルファーやプロ野球選手が、試合終了後にすぐ素振りをしたり、
練習場に行ったりするのは、そのときのダメだった感覚、
あるいはよかったときの感覚をきちんと体に覚えさせるという目的のためだそうです。
一流選手ですらそういう努力をしている。
ましてわれわれ凡人が一発ホームランをねらって、
普段の空振りをいやがっているようではダメでしょう。

ご存じの通り香港というところは、
年間を通じて気温と湿度が高く、ものすごく暑いのです。
冬はたったの二週間しかありません。
その二週間だけは日本の冬と同じくらい寒いのですが、すぐにまた暖かくなります。
日本人の感覚からいうと、普段はめちゃくちゃ暑いのだから、
二週間しかない冬が来たところでわざわざダウンジャケットは買いません。
二週間くらいなら重ね着などで対応しようと思うでしょう。
ところが香港のデパートでは、短い冬の訪れの前に
ちゃんと冬物コーナーがにぎやかに演出されるのです。
そして香港の人たちは、日本人の感覚からすればまだ暖かいころから、
街中でスキーウェアのようなダウンジャケットを着て、おしゃれを楽しんでいる。
つまり、冬が二週間しかないからこそ、その希少性を楽しんでいるのです。
これに僕はびっくりしました。
(中略)
さらにいえば、平均気温が高く雪が降らないくにだからこそ、
冬旅行というマーケットがあります。
一番人気の日本の観光地は雪のある北海道です。
テレビや映画を見ていても、雪のシーンが非常に多く出てくる。
やはりそこには雪へのあこがれがあるのでしょう。

これは具体的な接客の話になってしまいますが、
「これ、男性用ですか、女性用ですか」と聞いてくる人は、
自分が買ってもいいかどうか許しがほしい人です。
異性のためのものなんだろうな、と承知のうえで聞いているのです。
こんなとき、「どちらでも大丈夫です。お客様のサイズに合わせますよ」
というのがプロです。残念そうに、「ああ、これ男性(女性)用なんですよねえ」
と答えてしまう人は、正しいことを言っているのかもしれませんが、まだまだアマチュアです。
男性に「これは女性用です」、女性に「これは男性用です」と言ってしまうのは、
「あなたがつけたらおかしいですよ」と言っているのと同じです。
自分からシャッターをガラガラと閉めてしまっています。
こう言われたら、お客様は「そうですか、じゃあいいです」と言わざるを得なくなるでしょう。
何が言いたいかというと、メーカーの発想はあくまでも
プレゼンテーションにすぎないということです。
商品の価値や使い方を決めるのは顧客です。
若者向けのはずの商品が中高年に売れている。
スポーツ用の時計なのにビジネスマンがスーツに合わせている。
このようなことはイノベーションの種です。

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参考ブログ :
完全『プロフェッショナルサラリーマン』マニュアル 改訂版:マインドマップ的読書感想文