サッカー日本代表の長谷部誠選手の
著書「心を整える。」の中で、
本書が紹介されていたので読んでみました。

これは面白いです!
ものすごくためになりました。

「字をていねいに書く」「笑顔を作ってみる」など
すぐに取り組めることもたくさん載っています。

個人的に「読書は量より質」というのが目からウロコでした。
世間的には「速読」「フォトリーディング」のほうが
もてはやされている感がなきにしもあらず、ですので。

本書こそ、何度も読み返す価値があると思います。

それから「完成した」「できた」「達成した」が
ポジティブワードではなく否定語であるというのには驚きました。
某女子フィギュアスケート選手がよく口にする
「ノーミスで」という言葉もあまりよくないそうです。

北島康介選手ら日本水泳陣を、オリンピックという
大舞台で記録ラッシュに導いた林成之先生に
もっともっとスポーツ界にかかわっていただけたらと
無責任ではありますが、思ってしまいます。

それにしても、百マス計算を一生懸命やっていた
私の努力はいったい何だったのでしょう(泣)

(以下、引用)

本書でご紹介する「脳に悪い習慣」は、
それらをすべてやめればいいだけです。
ドリルを解くなどといった特別なトレーニングは、
本当に脳を鍛えるうえで意味があることではありませんから、
行う必要はありません。

脳医学の観点からいえば、
脳の構造が定まる4歳までは、
何事に対しても興味をもつことを教える時期。
幼児に対しては、「ダメよ」「やめなさい」
といった否定語は使わないほうがよいでしょう。
子どもに分別を教えるのは、4歳以降からで十分です。

どんなことにも興味がもてる力は、
脳の考えるシステムを動かすので、
脳を活かすためのベースとなるものです。
「頭がいい人とは、何に対しても興味をもち、
積極的に取り組める人のことである」
といっても過言ではありません。

理解力、思考力、記憶力ーーー
みなさんが高めたいと願っている脳の力は、
どれも最初の「感情」によって
そのパフォーマンスが左右されるのです。
一度、マイナスのレッテルをはられた情報は、
しっかり理解できず、思考が深まらず、
記憶もしにくくなってしまうのです。

つまり、人は好き嫌いを判断するために
必要なはずの情報がそろっていない段階でも、
脳のクセによって「嫌いだ」と
感じてしまうことがあるのです。
それなら常に「人柄を知っていいところを見つけよう」
という姿勢をもち、最初から
「きっと好感をもてるだろう」と考えて話を聞くほうが、
脳にとっていい結果をもたらすことはいうまでもありません。

私が救命救急センターに在籍していたころ、
スタッフに課していた習慣があります。
それは、「出勤前に必ず、
鏡の前で最高の笑顔をつくってくること」です。
ひとりで鏡の前に立って笑うというのは、
一見、奇妙に見えるかもしれません。
しかしこれは、脳医学にもとづいた
脳の働きを高める方法なのです。

競争の助長は、脳が機能するための貢献心を、
損得勘定にすり替えている傾向があります。

ここで強調しておきたいのは、
脳にとって、途中で「完成した」「できた」「達成した」
といった言葉は“否定語"である、ということです。
「だいたいできた」ということは、
実際は「まだできていない」はずですが、
脳は「だいたいできた」という“否定語"によって、
思考することをやめてしまうのです。

根性論で「がんばります」とだけ言っていても、
脳は何をがんばればいいのかわかりません。
「がんばります」は、
脳にとっては意味不明な言葉なのです。(中略)
達成すべき目標や、今日は何を達成したのかを
具体的に言えるようにしておく必要があるのです。

目的と目標の両方を定め、
紙に書いてはっておくなどして、
脳に対してはっきりとがんばるべき方向性を決めることを習慣にしましょう。
これができる人とできない人では、
脳のパフォーマンスに雲泥の差がつきますから、
今日からぜひ実行してください。

先ほど「達成する習慣づけが大切」
ということを説明しましたが、
目標をコロコロ変えるということは、
「達成しない」という経験を積み重ねることになるのです。
こうした脳のしくみにもとづけば、
一度決めた目標は簡単に変えず、
一気にやり遂げることが大切だと理解できるでしょう。

試験の点数を学校や地域ごとに比較することがありますが、
こうした比較は教育現場に
「子どもにいい点数を取らせよう」という競争を生み、
効率化の追求に拍車をかけかねません。(中略)
試験でいい点を取れば
「優秀だ」と判断するのは効率的ですが、
試験でいくら点を取れても、
社会で力を発揮できるとは限らないことに
多くの人が気づいているはずです。

私は、水泳選手に限らず、
さまざまなプロスポーツ選手に
脳機能の活かし方を話す機会があるのですが、
優秀な選手たちはほとんど全員、日記を書いています。
それも、最近は調子がいいといった漠然とした内容ではなく、
「今日はここができた」「いまの課題はここにある」
といったことを記録しているのです。

本をたくさん読んでいることが自慢だという
「ものしり」の人は、ちょっと注意が必要です。
(中略)思考はくり返すことで深まり、
独創的な考えを生み出すのですから、
本は「いかにたくさん読むか」ではなく
「いかにいい本をくり返し読むか」に
重点を置くべきなのです。

「記憶力が悪い」という方は、
記憶のプロセスのスタート地点に
立ち返ってみる必要があります。
興味をもち、好きになり、
おもしろいと思って取り組んでいますか?
人の話を感動して聞いていますか?

また海馬回には、複数の情報が入ることによって興奮し、
機能が高まるという性質があります。
ものを覚えようとするとき、文字を追うだけでなく、
声に出して読んでみるなど、意識的に
複数の情報を重ねることが有効なのはこのためなのです。

超一流といわれる人、
とくに運動選手で、姿勢が悪い人はいません。
これは「超一流だから姿勢がいい」のではなく、
「姿勢がいいから超一流」になれたのです。

姿勢を正すコツはいくつかあります。
まずは「いつでも真上に飛び上がれる状態」
を意識することです。

また、空間認知脳を低下させる習慣として
あげられるのが、字を雑に書くこと。
字をきちんと書かない人は、
空間認知脳を鍛えていないことになり、
文武両道の才能を育てていないことにつながっていきます。
文字は、しっかり丁寧に書くことを心がけましょう。

「自分は友人が少ない」
「人とのつながりが薄いほうだ」という人は、
この「相手の立場に立つ力」が
ついているかどうかを考えてみてください。
相手の立場に立てないと脳が同時発火できませんから、
意思疎通ができないために人が離れていってしまいます。
恋愛するのも、難しいでしょう。

人に興味をもち、好きになり、
心を伝え合い、支え合って生きていく。
「違いを認めて、共に生きる」ことこそ、
脳が望んでいるということを、
どうか心に留めておいてください。

脳に悪い7つの習慣 (幻冬舎新書 は 5-1)
林 成之
幻冬舎
売り上げランキング: 987