「本当に熱い応援ありがとうございました。
(日本の皆さんからの)応援が力になったので感謝しています。
ほとんどの選手がJリーグでプレーしているので、
Jリーグにも足を運んで盛り上げてもらいたいです」

上のコメントは、2010年南アフリカW杯決勝T、
日本vs.パラグアイ戦後の、長谷部誠選手のものです。

敗戦直後にもかかわらず、自分のことは二の次で、
仲間と、そして日本サッカーの将来を見据えた
コメントが自然に出せる長谷部選手の人間性に
感動した方も多かったのではないでしょうか。

マスコミのバイアスがまったくかかっていない
長谷部選手の本音が聞けるという意味においても
とても貴重な一冊だと思います。

高校時代まではレギュラーでさえなかった長谷部選手が、
その後どのようにプロとして順応し、
頭角を現していったのか、その戦略と過程が
惜しみなく明かされているのもありがたいところです。

これを読んで、ますます長谷部選手と日本代表が好きになりました。
サッカーファン以外の方にもお薦めです!

(以下、引用)
朝起きたら簡単にベッドメイキングする。
本棚は乱れていたら整理する。
ダイニングテーブルの上には物が散らかっていないようにする。
ただ、あまり整理に対して気を遣いすぎると精神的に負担になるので、
100点満点で言えば80点くらいの清潔感を保つようにしている。

愚痴で憂さ晴らしをするのは自分の問題点と向き合うことから逃げるのと同じ。

後の章で詳しく述べるのだが、変化を受け入れなければ進化することはできない。
だから、岡田監督がワールドカップ直前に戦術を変更したことに対して、
僕は心を整理するまでに時間はかかったものの、異論はなかった。
しかし、ゲームキャプテンを替えるという、
あの変化だけは本当に実行すべきだったのかな……と思い返すことがある。

スタッフのひとりが僕にこう言った。
「カメルーン戦で本田がゴールした後に、
ベンチに走って行ったのはサブの選手たちにとっては嬉しかったみたいだぞ。
ぜひ、あれを続けるようにみんなに言ってほしい」
(中略)
本田(圭祐)が1点目のFKを決めたときは、
どうやら僕が伝えたことを忘れてスタンドの方に行ったので、
僕は真っ先に彼に抱きつきながらも、「ベンチに行こうよ!」と耳元で叫んだ。

ワールドカップでは、オランダ戦の前に非公開練習の内容がメディアに漏れ、
試合後の記者会見で岡田監督に情報管理の甘さを問う質問が出たそうだ。
だが、監督に責任を問うのは筋違いだと思う。
選手やスタッフの一人ひとりがチームの一員であることを自覚し、
組織にとってマイナスになるようなことをしないのは当たり前のことだからだ。

さぼっていたら、運なんて来るわけがない。
それにただがむしゃらに頑張っても運が来るとは限らない。
普段からやるべきことに取り組み、万全の準備をしていれば、
運が巡ってきたときにつかむことができる。
多分、運は誰にでもやってきていて、
それを活かせるか、活かせないかは、それぞれの問題なのだと思う。

京セラ創業者の稲盛和夫さんが、こう言っているのを本で読んだことがある。
「判断に迷ったときは、人として正しいかどうかを考えるようにしている」
チームのために進言することは、「人として正しい」ことだと僕は思う。
だから進言するかで迷ったときは、
「自己保身のために言わないことの方こそ、正しくない行動のはずだ」と考える。

人生初の『ナンバー』の表紙。
そのときに、「オールタイムベスト5」としてあげたのが次の5冊だ。

『本田宗一郎 夢を力に 私の履歴書』本田宗一郎・著

『道をひらく』松下幸之助・著

『悩む力』姜尚中・著

『人間失格』太宰治・著

『アインシュタインは語る』アリス・カラプリス・著

子どものときから現在まで、サッカーに関しては僕だけの集合時間がある。
常に1時間前に着くようにしているのだ。

ワールドカップの戦いを終え、南アフリカから帰国して実家に帰ったとき、
僕は大会中に朝日新聞に掲載された、ある記事広告を見つけた。
それは岡田監督の娘さんが父親に向けて書いた手紙が掲載されていて、
オランダ戦の当日に掲載されたものだった。
「お父さん元気ですか。ごはん、ちゃんと食べてますか?ちゃんと眠れてますか?
お父さんが岡田監督として難しい顔している姿、毎日テレビで見ています。
(中略)
私たち家族ができることは少ないけれど精一杯、応援しています。
いつもありがとう。お父さんは、私の誇りです。娘より」
僕はこの手紙を読んで、熱いものが込み上げてきた。

金銭的なことを書くと、ボルフスブルグの提示価格が良かったわけではない。
ただ、あのタイミングでの移籍はお金ではなかった。
自分に必要だったのは、毎日ヒリヒリするような競争と挑戦であった。

まずは自分から監督や先生の方に歩み寄って、相手のことを知ろうとすることが大事だ。
もちろん先生だって全知全能ではないので、
知らないこともあれば間違うことだってあるだろう。
そんなとき先生の悪い方に目を向けるのではなく、
良い所を見るようにすれば、きっと信頼するきっかけが見つかり、
いい関係を築くことができるはずだ。
どんな指導者にもそれぞれの良さがある。
それを引き出せるかどうかは、教えられる側の心構えにもかかっている。

今回、中東のカタールで開催されたアジアカップは審判との戦いでもあった。
(中略)
特にひどかったのは、シリア戦でPKを取られたシーンだ。
(中略)
ただ、トーキー主審は明らかに冷静さを失っており、
これ以上何を言っても、彼は意地を張るしかなくなる、と僕は感じた。
(中略)
僕はこう言った。
「僕はあなたのために言っている。この試合は世界中で流れている。
世界中の人たちが見ているんだから、しっかりとしたレフリングしてください」
(中略)
そして、僕はくだけた感じの笑顔を作りながらこうつけ加えた。
「このあとは、日本寄りのジャッジで頼むよ」
(中略)
彼との関係には、実は後日談がある。
準決勝の韓国戦のとき、ウォーミングアップでピッチに出ていくと
何とその日の副審がトーキーさんだったのである。
彼は笑顔で「元気かい?」と話しかけてきた。
(中略)
レフリーとはいつどこで再会するか分からず、
どんな腹が立つような誤審があったとしても、
リスペクトを忘れずに接するべきだと再認識させられた一件だった。

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長谷部誠
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