勝利のチームメイク (日経ビジネス人文庫 グリーン お 4-1)

初版発行が2003年4月14日。

当時、岡田武史氏は横浜F・マリノス監督。
平尾誠二氏は神戸製鋼ラグビー部GM、
古田敦也氏はヤクルトスワローズ捕手という
肩書だったころの巴戦形式の対談集。

申し訳ないが、「平尾×古田」対談は飛ばした。
理由は…まあその…アハハ…。

お二方が、いつか世界を相手に互角に渡り合う
姿を見られる日を期待して応援してゆきます。

そして、岡田武史氏。隠遁生活するには
まだまだ早すぎますし、世間が許しませんよ。

是非現場に留まっていただきたい。
日本が世界のトップを争うには
岡ちゃんの力が必要だと思うのです。

それまで私は、「『選手の長所を利用する』
という考えは、選手の将来を考えていないことで
あり、指導者としてはとてもずるい行為だ」
と考えていた。でもこれまで述べてきたように、
「選手を育てよう」などという
考えこそがおこがましいこと。
極端に言えば「選手の邪魔をしないように
するのが指導者なのだ」ということを、
実体験が教えてくれた。
人間とは弱いもので、弱点があればそれを隠し、
欠点があればそれを修正したいと思うもの。
何かしら手を施しておいた方が、
気は楽なのである。でも、欠点に気づきながらも
「何もしない」ということ、
選手の長所だけを黙って見つめていくこと。
とても忍耐力と勇気がいることだが、それも
チームメイクなのだと思う。(岡田武史)

Jリーグを立ち上げるときに、
川渕三郎Jリーグチェアマン(当時)が、
「プロリーグを立ち上げるのは10年早いなんて
言っているやつは、100年後も同じことを
言っている」と言ったのは有名な話で、
ラグビーも「代表強化」という大きな目標を
達成するためには、抜本的とも言える
大きな仕掛けが必要かも知れない。(平尾誠二)

人間っていうのは弱いものだから、誰だって
皆に「いい人だ」と思われたいじゃない。
でも監督はそれをやったら終りだよ。
誰にでもいい顔をしていたら、
結果が伴わなくなってくる。
本当に、時には非情にならないといけない。
選手選考は特に、な。代表の監督時代、
Jリーグの試合を観に行ったら、
なんか自分のことをジーッと睨んでいる女の人が
いるんだよ。「何だろ?」って思っていて、
後でわかったんだけど……。
自分が代表から落とした選手の奥さんなんだ。
きついなと思ったよ。(岡田武史)

ある本にね、「行動の無駄と思考の無駄を
なくさないといけない」みたいなことが
書いてあったのよ。今回のW杯見てね(2002)、
まさに「これだっ」って思った。
つまり考え過ぎちゃいけないんだよ。
もっと、監督はフィーリングを
大事にしないといけないんだ。(岡田武史)

結局、日本の世の中って、まだまだ、
自分の人生も親が決めたり、先生が決めたり
という部分が残っているじゃないですか。
極端に言えば、自分で頭を使わなくても、
言われたことをしっかりやっていれば
それなりにやっていける。
でもそれ、スポーツの世界では
めちゃめちゃマイナス要因なんですよね。
そういうマイナスのカルチャーを
引きずっていては、まずいと思うんです。
特にサッカーとかラグビーとかの
ゴール型競技では。(平尾誠二)

よくな、スポーツにおける努力って、
「身体を動かすことだけ」
のように受け取られるけど、
決してそうじゃないんだよな。
考えることだって努力、
自己管理だって努力なんだ。(岡田武史)

さっきの監督の決断の話でもね、
今までいろいろな指導者を見てきたけれど、
「どうせ考えたって結論は出ないんだ」
と考えることをしないで、感覚的に
「えいやっ!」という決断をする一見豪快な人も
いれば、考えに考えるんだけど、なかなか
「えいやっ!」ができない人もいる。
でも、どちらも長い目で見て大成していない
ように思うんです。(岡田武史)

以前、人から聞いた話なんですが、
Jリーガーとプロ野球選手に、
「あなたは誰に給料をもらっていますか?」
とアンケートを取ったそうなんです。
その回答が非常に特徴的だった。
Jリーガーは「観客」と答えた人が一番
多かったのに対して、プロ野球選手は「親会社」
と答えた人が一番多かったんだそうです。
感覚的にわかる気がしますね。(古田敦也)


『勝利のチームメイク』 目次

対談の前に 私が考える「勝利のチームメイク」

チームメイクとは「選手の長所を利用させてもらう」こと
岡田武史

チームワークは勝ったチームに「結果」として表れる
平尾誠二

勝つために「戦略」を必要とする根拠
古田敦也

SESSION1 勝ち続けるチームは「考える伝統」を築く
古田敦也VS平尾誠二

1 「常勝軍団」と「万年2位」を分かつもの
2 連覇の条件「毎年チーム力2割アップ」
3 試合の流れを決めるのは一人ひとりの「理解力」
4 より強い敵に勝つために定石を破る
5 選手の海外流出は世界との差が縮まった証

SESSION2 「経験」こそチーム力の源泉
平尾誠二VS岡田武史

1 「最悪の結果」から得た教訓
2 監督ほど孤独な職業はない
3 戦術は絶対ではない。常に試合の流れを読み決断する
4 勝つために「日本人らしさ」の長所と短所を把握する
5 究極の代表チーム強化策

SESSION3 プロスポーツのチームメイク
岡田武史VS古田敦也

1 プレッシャーに克つメンタルタフネス
2 今いる駒でどう勝つか
3 プロスポーツにおける「いい監督」の条件
4 世界と勝負するために最新トレンドを取り入れる
5 日本に「プロスポーツ」を確立させるために
6 覇者を目指して新たな区切りの年に


あとがき。。。。。今朝は早くに目が覚めたので
愛犬を連れて1時間ほど散歩。
これも本田圭佑効果です(意味不明?)
慣れないことをしたものだから足はガクガク、
汗はダクダク。でも見知らぬ人とすれ違うたびに
かわす「おはよう」の挨拶…いいもんですね!