どちらかが彼女を殺した (講談社文庫)

卒業」「眠りの森」に続く、
加賀恭一郎シリーズ第3弾。
(前作の恋の行方が気になる…)

作品中で犯人は明かされていない。
袋とじ解説にもはっきりと
犯人名は書かれていない。

ネットで検索をかければ一発で分かるのだろうが
さすがにそれはしたくない。自信がないなりに、
一応、結論は出しましたが、さてどうでしょう…

ノベルス版が出たときは、解説もなく、
講談社に電話が殺到したらしい。
そりゃそうだ。ワタシだってそうしたい(^^;

登場人物はいたって少ない。内容はーーー

東京で一人暮しをしているOL、和泉園子の
電話での様子がおかしかったので、愛知に住む
兄・康正が駆けつけてみると妹は死んでいた。
一見自殺かに思えたが、部屋に残された
物品等から他殺の疑いを持つーーー。

最初の数ページで一気に引き込まれた。
園子が画家志望の青年とふとしたことから出会い
深い関係となるまでの描写が絶妙なのだ。

主要なストーリー以外でのディテールの巧みさも
東野作品の楽しみのひとつである。

たとえば初めて食事をした日の別れ際・・・

乗り込む園子を、潤一は小さく片手を上げて
見送った。電車の中には、彼女と同じような
年齢の女性客も乗っていた。彼女らに対して、
園子は少し誇らしい気分になった。

園子の砂をかむような毎日とは大きく
かけ離れた世界に住む青年と出会ったことで、
一気に新しい風が吹き込んできた様子が
手に取るように伝わってくるではないか。

肝心のメインストーリーも読者を釘付けにする。

兄の康正は実は交通警察官で、妹の部屋にあった
証拠品のいくつかを自分が保管してしまうのだ。
そうしておいてから警察に通報する。
犯人を自力で見つけ、復讐するためである。
つまり、加賀恭一郎は出だしから
思いっきりハンデをつけられているわけだ。

犯人当ての興味プラス、どちらが早く
真相にたどり着けるのかという面白さもある。

こんな何重にも面白い小説を読まされては、
加賀恭一郎シリーズ第4作めを
ポチらないわけにはいくまい・・・ポチッ

最後まで犯人を明示しないという、東野先生の
革新的な試みには敬意を表しつつ、図らずも
そのことがミステリ特有の読後のカタルシスを
削いでいるというのが痛しかゆしではあります。

内容(「BOOK」データベースより)
最愛の妹が偽装を施され殺害された。
愛知県警豊橋署に勤務する兄・和泉康正は独自の
“現場検証"の結果、容疑者を二人に絞り込む。
一人は妹の親友。もう一人は、かつての恋人。
妹の復讐に燃え真犯人に肉迫する兄、
その前に立ちはだかる練馬署の加賀刑事。
殺したのは男か?女か?究極の「推理」小説。
どちらかが彼女を殺した (講談社文庫)
どちらかが彼女を殺した (講談社文庫)おすすめ平均
stars推理小説初心者におすすめ!
stars開けちゃいました・・・。
stars犯人を当てるのは読者
stars一度目の読後にも楽しみが残る読書好き・推理好きにはたまらない
stars犯人を推理するのは読者自身

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<東野圭吾作品 - 極私的星取り表>
★★★★★ 「容疑者Xの献身」
★★★★★ 「真夏の方程式
★★★★★ 「白夜行
★★★★★ 「卒業
★★★★★ 「眠りの森
★★★★☆ 「マスカレード・イブ
★★★★☆ 「人魚の眠る家
★★★★☆ 「プラチナデータ
★★★★☆ 「どちらかが彼女を殺した
★★★★☆ 「新参者
★★★☆☆ 「マスカレード・ホテル
★★★☆☆ 「片想い
★★★☆☆ 「赤い指
★★★☆☆ 「嘘をもうひとつだけ
★★★☆☆ 「私が彼を殺した
★★★☆☆ 「悪意
★★☆☆☆ 「ラプラスの魔女
★★☆☆☆ 「虚ろな十字架
★★☆☆☆ 「麒麟の翼
★★☆☆☆ 「宿命
★★☆☆☆ 「名探偵の掟
★★☆☆☆ 「カッコウの卵は誰のもの
★☆☆☆☆ 「夜明けの街で
★☆☆☆☆ 「パラドックス13
★☆☆☆☆ 「ナミヤ雑貨店の奇蹟
★☆☆☆☆ 「危険なビーナス

番外編 :
映画『白夜行』 | 東野圭吾ワールドを完璧に再現。